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そのひゃく。 ページ17

足下に転がったボールを。





何となく指で転がしてたら。





鈍臭いのか、ボールが悪いのか。






思い切り爪が割れまして。









「…ださ。」


『ひどっ。…いいよ、保健室、行く。』


「はぁ…僕もついて行きますよ。」


『大丈夫。月島くん、練習じゃん。』


「この試合、僕出ないんで。」


『いいの?』


「それ以上怪我してたら笑っちゃうんで助けてあげます。」


『…笑うなよ、心配しなさいよ。』









放課後練が始まって2時間。






いや、ボールで爪が割れたぐらいなら月島先生も来ないと思う。






でも別に好きで階段ですべったり、ドリンクフォルダーで倒けそうになったりした訳じゃないんだけど。









「…Aさん。」


『はいよ。』


「何ですか、その色気のない返事。」


『はい、何ですか。』


「キャプテン、見てましたよ。」


『嘘!』


「本当です。」


『本当に?』


「追っかけでもしてくれたら楽なんですけどね。」









こっちを気にしてくれたのは嬉しいけど。





追いかけてくる様子も影もない。





分かってたから大丈夫だよ、うん。









「しつれーします。」


『失礼します。』


「あれ、佐々木さん、どうしたの?」


『爪割れて血ぃ出ちゃった。』


「ほんと?…あらら、ちょっと待ってね。そこにクラスと来た時間とか書いといて。」


『はーい。』









優しそうな先生に言われるまま。





ボールペンを握ると。





月島くんが私からしれっと奪って。






出席番号は、なんて言う。









「…何ですか。人のこと見てないで番号ぐらい言ってください。」


『いや…優しいね。』


「はぁ?そんなんじゃないです。血で汚れたら面倒なんで。」


『へー?』


「…めんど。もう適当でいいですね。」


『あぁ、ごめん!私、12番。』


「そーですか。…今は…6時前か。」


『やっぱ先生、優しいね。』


「…もう良いです。」









私の方を見ようともしないで月島先生は汗を拭うと。






ガーゼとかで大事になってく私の指を見つめて。






ださい、ってまた言うもんだから。









『素直になりなよ。』


「素直です。」


『本当?先輩、分かってるんだからねー。』


「そしたら困るくせに。」


『何が困んのよ。』









よく分からない月島くんの言葉にそう言うと。





良いんです、ってそっぽ向かれて。






外からあの人の声がした。

そのひゃくいち。 T→←そのきゅうじゅうきゅー!!



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zgdj - 面白い作品をありがとうございます! (3月2日 11時) (レス) @page46 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - できればうらつくに残ってほしいけど、saiさんが決めたのであれば口出しはしないようにします。でも、他のツールで繋がりたいのでTwitterとかって教えてもらえませんか、、、? (2023年1月20日 23時) (レス) @page46 id: 3df5dd07dc (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - 今日初めて作品に出会いました!神作品だと思いました。ハイキューの二次創作の作品を見つけて、いい!好き!って思ってその人の作った日を見ると、2015とかで止まっていて、すごい悲しくなっちゃうんですけど、今日まで生きてくれてありがとうございます! (2023年1月20日 23時) (レス) @page46 id: 3df5dd07dc (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - ちゃむPOPさん» こちらこそ作品を愛してくださってありがとうございます。 (2023年1月11日 11時) (レス) id: 4a22273a47 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 何年も帰ってきては読んでます。残してくれてありがとうございます。 (2022年10月18日 20時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるぼー | 作成日時:2015年10月16日 23時

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