10 ページ10
マルコside
「考えるったって、それを言うならお前じゃなくて凜ちゃんの方だろ？」
サッチはそうチクチクと文句を言いながらも俺に淹れたてのコーヒーを出してくれた。
豆の匂いが不思議と凝り固まった俺の気持ちを解してくれる。
「・・・・分からなくなったんだよぃ」
「何が？」
「凜の気持ちだよぃ。・・・・島を出た日に見ちまったんだよぃ」
それから俺はあの日に見たエースと凜の様子をサッチに話して聞かせた。
「ぷっ・・・・要するにそれはお前・・・・エースに焼きもち妬いたって事じゃねぇか！！」
その言葉に俺は飲んでいたコーヒーを見事に噴き出した。
「おいっ、汚ぇだろ！！！！」
「や・・・焼きもちなんて妬くかよぃ！！」
「はぁ〜・・・ったく、これだから頭でっかちは・・・・いいか、エースと親密そうにしてた凜ちゃん見てどう思った？モヤモヤしたり面白くない気持ちになったんじゃねえの？」
「そ・・・それは・・・そうかもしれねぇよぃ・・・」
「だろ・・・それが焼きもちってんだよ。お前凜ちゃんの事家族とか妹じゃなくて1人の女の子として見てんだろ？」
そう問われると否定出来ない。
自分でも気付かない内に俺は凜を1人の女性として意識していたのだから。
「はぁ・・・気付いてねぇの、エースと凜ちゃん位だと思うぜ」
俺はサッチのその一言に唖然とした。
「マジかよぃ・・・・」
「マジもマジ・・・大マジ。あんな剣幕で手ぇ出すんじゃねぇって言やぁエース並みの能天気さじゃないと気付くだろ・・・・・それにお前自分の前では他の奴に手も触らせねぇだろ？・・・でも、まぁ良かったんじゃねぇの？」
そう言ってニヤリと笑ったサッチに俺は同じく口角を上げて頷いた。
「そうだねぃ。余計な虫が付かなくて済んだよぃ」
「まっ、俺達は海賊だ・・・欲しけりゃ奪ってでも手に入れるかもしれないけどな」
そう言って軽口を叩くサッチに俺は上等だと言葉を続けた。
「奪わせねぇよぃ・・・エースにもな」
「えーと、ジャガイモと玉ねぎ・・・・それと」
私はサッチに頼まれて地下にある貯蔵庫で食材を集めていた。
「よしっ。これで全部だね・・・・あれ？」
私は食材が入れられていた箱の影に鉢植えが隠れているのを見付けた。
「これって・・・・」
どこかで見た事のあるその鉢植えは間違う筈もない。
私とマルコを結んでくれた月下美人の鉢植えだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗良咲(プロフ) - 星猫さん» 初めましてコメントありがとうございます。そう言って頂けると本当に嬉しいです!!高評価もありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年10月13日 22時) (
レス) id: 1086401827 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年10月13日 21時) (レス) @page3 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗良咲 | 作成日時：2021年10月12日 23時
