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「はぁ、はぁ・・・・っ」
私は船を飛び出し島の中を走っていた。腕にはしっかりと小箱を抱え。目的地なんてない。
小枝や木の幹に足が傷ついてもきにする余裕なんてない。
今はこの箱を皆の元から遠ざける・・・ただその一心で見知らぬ地を走り抜けていた。
どの位走ったのか足がもつれフラフラになった時眼前に道が大きく開けた場所が映った。
「行き止まり・・・」
足元は切り立った崖になっており眼下には暗い海が広がっていた。
「ゼハハハ・・・、行き止まりみてぇだなぁ、凜」
「っ、ティーチ・・・あなたがこんな事したの？」
私は背後から掛けられた声に勢いよく振り向くと目の前に居る男を睨み付けながら言った。
「なんの事かさっぱりだが・・・持ってるんだろ？」
「とぼけないでよ。分かってて何の為にこんな事したの？」
「俺じゃねぇのは本当だ・・・俺はただ『ある奴』から情報を買っただけさぁ・・・まさか本当だったとはな。半信半疑だったが今確信に変わったぜェ。・・・さぁ、大人しくその実をよこしな！」
そう言って1本のナイフが私に向かって投げられた。
「いっ・・・」
タイミング良く避けたつもりではあったが足を掠めたナイフはそのままカランと乾いた音を立てて落ちた。
「ゼハハハ、次は外さねぇぜ・・・」
「どうして・・・・どうしてそんなにこの実が必要なの？大切な家族を裏切ってまで・・・」
「一つ教えてやる・・・何十年も白ひげの船にいたのはその実が転がり込んでくる確率が一番高ぇと思ったからだ・・・運が無けりゃ諦めたが現に今その実は目の前にある・・・」
「だとしても・・・この実は絶対に渡せない・・・」
私はそう言うと手先に全神経を集中させた。
少しずつ周りの空気が手先に集まるのを感じさらに集中し的を絞った。
「何する気か知らねぇが渡す気ねぇならこっちから行くぜ！！」
ティーチはそう言うとナイフを片手に一気に私との距離を詰めた。
手先に集めた空気を一気に凝縮させ相手に当てるイメージをし私はティーチに向けて一気にその空気を放った。
ズドォン
と大きな音を立て土煙が舞った。
初めて意識して使った力の反動に私は肩を上下させ息をした。
「・・・・今のは効いたぜぇ。こっちも本気でいかねぇとな」
土埃の中からティーチが不敵な笑みを浮かべ出て来た。
「・・・今の結構本気なんだけどね・・・」
そんな憎まれ口を叩く私にティーチは不敵な笑みを浮かべた。
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紗良咲(プロフ) - 星猫さん» 初めましてコメントありがとうございます。そう言って頂けると本当に嬉しいです!!高評価もありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年10月13日 22時) (
レス) id: 1086401827 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年10月13日 21時) (レス) @page3 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗良咲 | 作成日時：2021年10月12日 23時
