44 ページ45
「あぁ、凜は何も心配する事ねぇ」
そう言ってそっと私の頭を撫でたマルコはいつもの優しい笑顔を向けてくれた。
「うん、ありがと、マルコにそう言って貰えるとすごく安心する。」
「あんまり可愛い事言ってるとこの部屋から出したくなくなるねぃ・・・」
そしてジリジリとにじり寄ってくるマルコから逃げ出す様に私は彼の部屋を後にした。
「ひっ・・・、ごめんマルコ、また後で！！」
「まったく・・・からかい過ぎたかねぃ・・・」
一人部屋に残されたマルコは苦笑を浮かべそう呟いたのだった。
それから上陸する準備を済ませた私は甲板からジッと目前に迫る島を見つめていた。
島が近付く度に何とも言えない不安に襲われ微かに手が震えるのを感じた。
その手をそっと握りしめた私は憎らしい程晴れた空を見上げ呟いた。
「大丈夫、何があっても私が守る・・・」
「おーい、凜ちゃん！！」
「サッチ、どうしたの？」
「もう着岸するんだってよ、マルコとエースも探してたし行こうぜ！！」
「うん、今回は皆で行動するの？」
「ん？あぁ、なんか今回は特別らしい・・・まったくマルコの奴何考えてんだか・・・まっ、俺はこうやって凜ちゃんと一緒に居れるのは嬉しいからいいけどな」
そう言っていつも通りおちゃらける姿を見せるサッチに私も笑顔で答えた。
島の偵察と食材などの調達の為に上陸した私達は街の中心にある市場に来ていた。
「おぉ〜、この島小さい割に良い食材沢山あるぜ」
サッチが少し興奮した様にそう言いながら市場に並ぶ食材を次々と手に取っていた。
「へぇ〜・・・確かに見た事ない野菜とかフルーツ沢山だ」
「確かに俺も見た事ないものが多いねぃ・・・」
「え？そうなの？サッチ、マルコも見た事ない物知ってるの？」
「へっ、凜ちゃん、俺を誰だと思ってる？白ひげ海賊団の台所を預かる4番隊隊長・サッチさんだぜ！！俺の知らない食材はない！！！」
鼻から白い息が見えそうな位フンっと息を吐き仰け反っているサッチを見ながら私は苦笑いしながら答えた。
「はは・・・そっか、そうだよね、サッチだもんね」
「サッチ、あんまり凜を困らせるんじゃないよぃ」
「マルコ、お前の知らないものを俺が知ってたからって焼きもち妬くなよ・・・みっともねぇぞ」
尚も自慢気にそう言うサッチにマルコの額の青筋がピクピクと動く。
それを見逃さなかった私は長くなるなと思いそっと傍を離れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗良咲(プロフ) - 星猫さん» 初めましてコメントありがとうございます。そう言って頂けると本当に嬉しいです!!高評価もありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2021年10月13日 22時) (
レス) id: 1086401827 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年10月13日 21時) (レス) @page3 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗良咲 | 作成日時：2021年10月12日 23時
