もしもーし。80 ページ5
『じゃあ、また会いにいくから』
「うん!!」
なんか、励まされた気がする。
英の本音を聞いただけなのに。
すごく、嬉しかった。
この人なら、彼氏だったのかも、って思った。
もし、そうだとしたら私が思い出すまで待っててくれて
私のタイミングに合わせてくれる、素敵な人だなって。
けど、
気になったのは、徹。
あの人も、嘘ついてるとはわかんないしなぁ……
え、私が二股かけてるとかほんとにないよね!?
ちょっと心配になってきたぞ…
そう思いながら部屋を出てリビングに向かう。
ドアを開けた途端、
「おはよーAちゃん!!」
……な、ん、だ、と。
「なななななんであんたがいんの!?」
リビングにいたのは徹。
どうやって入ったの!?不法侵入!?
「ちょい警察行ってくるわ」
「…記憶、戻ってないよね?」
「え、うん」
「それ、前も同じこと言ってたからびっくりしたじゃん!!」
同じこと……
“記憶、戻った?”って英も言ってた。
私、前も同じこと言ってたんだ…ってことは同じ考えしてるんだ。
「……思い出したい、けど思い出せないんだよね」
「……ゆっくり思い出せばいいじゃん」
「うん、ありがと……って待ってその前にさ、不法侵入」
「岩ちゃんに合鍵もらっちゃったんだよねー!!」
岩ちゃん?あだ名?
「岩ちゃんって誰?」
「あーそっか、岩泉一。Aちゃんのいとこかな?」
岩泉一……あ、一ね!!
「一と知り合いなの?」
「うん青城でバレー部だし!幼馴染だし!」
青城?
「あー青城……徹の高校だったのか」
「国見ちゃんも、ってわかってる?」
英が、青城……バレー部?
「そー……なんだ」
思い出せそう、なのに思い出せないもう!!
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作者名：のんびりななせさんは生きてます。 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2015年1月15日 20時
