無気力な居候 .

居候.4 ページ6

「美味い。栄養満点だね」


「またお母さんだって言うんでしょ」



美味しそうに食べてくれるから別にいいけどね。




「A、はいあーん」


「え、ちょ、何言って…」




と言いつつも押し付けてくるから仕方なく口を開ける。



ちょっと照れるよ。



ん…肉じゃが。



「お粥だけで足りんの」


「大丈夫だって、気にしないでよ」


「俺の分ける」


「こら、残さず食べてね」



聞き分けの悪い子だな。



そしていい子。



俺の分ける、って可愛すぎだよ。



「……そんな細いのに、倒れるよ」


「お世辞ありがとう。大丈夫だから、ね?」



「お世辞じゃないのに」


「はいはい」



私はお粥を口いっぱいに頬張る。



「…む……こんなに食べたらほら、お腹いっぱい」


「Aの分俺がとったから、ごめん」


「私がいいって言ってるから、ね」


「……うん」



ちょっと反省してるのか、



俯いて落ち込んでる。



「落ち込まないのー。可愛いからいいけど」


「…可愛いって言われても嬉しくないし」



…そういえば、私



何でこんなに打ち解けてんの…



まぁコミュ力は高いほうだと言われるけど



知り合って1時間ほどしかたってない。




「英が、絡みやすいんだね」


「は?何言ってんのさ」


「こら、言葉を慎め」


「はーい」



私はお粥を食べ終え、



立ち上がる。



「私もお風呂入ってくるから。テレビ見るなりくつろぐなり自由にしててね」


「うん。ありがと」



私は部屋を出た。




お風呂に入りながら考える。



あ、英の洗濯もしないとなのね。




というかなんで私の家に来たのかな。



違うってわかってるなら実家に戻ればいいのに。





色々と不安だけど悪い人じゃなさそうだし、まぁいっかな。





一人でいるより



少し賑やかになった気がして楽しい。




しばらくは面倒見てあげますよ。

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