国見ちゃんと、間違い電話 . 3 r d

もしもーし。70 ページ20

「……ん…」



パチ、と重たい瞼を持ち上げた。



あれ、ここどこだ……




待って、何があってどうしてここにいるの。




頭がズキズキしていた。




ふとお腹の辺りに重さを感じる。




見ると、私の手を握りながらすやすや眠るイケメンさん。




「だ、れ……」



誰だこの人。私の、知り合い?




すると私の声で目が覚めたらしいイケメンさん。



「ん……ふわぁ……あ、れ。あれあれあれAちゃん!!起きてたの!?」




A……?



……あ、私の、名前だ。




どうして自分の名前忘れてたんだろ。




「……その、えっと…」



「あ、そうだ!!」




そう言いイケメンさんはどこかに電話をかけた。




……人の電話は聞かない方がいいよね。




そこで私の脳内会議が行われた。




私、なんでここにいるの?



ここ、どこ病院?




私、さっきまで何してた?



あれ、何してた?




私の名前は?



A………あ、岩泉Aだ。





私、学校は?



……あれ、なんだっけ。





私、目が覚める前の記憶は?




……何も、覚えてない。

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