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Ten ページ12

「はーい…って…!
Aさんにショッピ君?顔色悪いけどどうしたん!?」

保険室に入るやいなや、そんな声が聞こえた。
声の主は、勿論ペ神先生。
どちらが病人か分からなくなるくらい、私を見て青ざめていた。
私の顔色は余っ程酷いのだろうか。

「取り敢えずベッドに。」と、私を横たわらせる。

「…確か、昨日も具合悪かったよね?
何かあったん…?」

ペ神先生にそう聞かれる。
私は、やはりどう返答するか迷っていた。
手紙の事を先生に言って良いものなのか。

私が迷っていると、ショッピ君が不意に話し始めた。

「昨日から、二日連続でA先輩の下駄箱の中に、変な手紙が届いてるんす。
…これなんですけど。」

そう言って、先程私が渡した手紙をおもむろに鞄から出し、ペ神先生に渡す。
私はその一連の行動をぼーっと眺めていた。

「うわ…内容が…その…なんというか…」

「ちょっと気持ち悪いっすよね。」

「…うん。」

遠慮なく物事をズバッと言い切るショッピ君に、ペ神先生は苦笑した。
しかし、直ぐに真剣な表情に戻り、私に問い掛けた。

「Aさん、体調が悪い理由はこれなんよね?」

「はい…。
内容が内容なだけに、気持ち悪くなってしまって…
それに、二日連続で入ってるのも怖くて…。」

すると、ペ神先生はくるりと踵を翻して「どうしたもんかなぁ…」とポソリと呟く。
その後、暫しの沈黙が流れる。

私は、なにか言い出そうとしたが喉に何かが詰まった様な感覚に陥り、上手く言葉が出せなかった。

「…Aさん、取り敢えず、明日またこの手紙が入ってたら僕に教えて欲しい。
入ってないに越したことはあらへんけど、もし入ってたら対策考えよ。」

沈黙を破り、ペ神先生がそう言う。

「分かりました。もし入ってたら相談しに来ます。
…気持ち悪いのも収まったので、一度教室に戻ろうと思います。
有難う御座いました。」

私はベッドから起き上がり、そう言った。
ペ神先生もショッピ君も、本当に大丈夫なのかどうか確認してきたが、それを適当にあしらいながら私は教室に戻る準備をした。

本当ならば休んでいた方がいいのかもしれないが、じっとしていると色々と考えてしまい、かえって気疲れしてしまう様な気がしたため、私は無理にでも体を動かすと言う決断をした。

「ペ神先生、失礼しました。
…ショッピ君、行こっか。」

『キィィ』と音を立てる保健室のドアを閉めて、私は教室へと向かった。

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詩音 - 更新お願いします! (2019年6月21日 23時) (レス) id: fcce2a0899 (このIDを非表示/違反報告)
まる。(プロフ) - モンスターエナジー愛好家さん» コメント有難う御座います!まさか本当に送ってくれる方がいるとは…(笑)更新頑張ります! (2019年6月9日 8時) (レス) id: 22fe2e4dd0 (このIDを非表示/違反報告)
モンスターエナジー愛好家(プロフ) - 更新あくしろよ( º言º)……だめだ良心が痛む… (2019年6月8日 22時) (レス) id: d836fbb346 (このIDを非表示/違反報告)
まる。(プロフ) - ゆあさん» コメント有難うございます!そう言って頂けて嬉しいです。更新頑張らさせて頂きますね。 (2019年6月1日 15時) (レス) id: 22fe2e4dd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - メッッッッッチャャ好きです!更新頑張ってください! (2019年6月1日 7時) (レス) id: efe5fa3d58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる。 | 作成日時:2019年5月30日 18時

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