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マルコside
家主の居なくなった部屋を俺は改めてグルリと見回した。
グランドラインでは見た事も無いような物の数々に改めてここが異世界であることを感じる。
凜の話ではこちらの世界では海賊も少なくこの日本というこの国ではまず居ないという。
さらには俺達の世界の物語なるものが漫画・アニメと言う文化で広く知れ渡っているという話だった。
「なんだかねい・・・」
何が起きても不思議ではないグランドラインではあるがまさか自分の身にこんな事が起きるとは今まで夢にも思わなかった。
帰れるかどうかも分からない現状が柄にもなく俺の心を沈ませていた。
「オヤジ・・・」
マルコはそっとそう呟くと自身の胸に刻まれた誇りを指でなぞる。
オヤジの体調は大丈夫だろうか、兄弟達は無茶していないか・・・普段ならばあまり気にしない事だが離れてみて改めて皆の姿が頭に浮かぶ。
「こんなんじゃアイツ等に笑われちまうね・・・」
そう言って少し自嘲気味に笑うと気分を変えようと凜が渡してくれた何冊かの本を手に取った。
見た事はない字体ではあったが不思議と書いてあることは理解できた。
「マルコー？ただいま！！」
そう言って私はリビングの扉を開けた。
本当は1時間ほどで買い物を済ませ帰る筈であったが、あれもこれもと見ている内に時間が大幅に過ぎていた。
「ごめんね、待ったよね？」
そう言って声を掛けるがマルコはローテブルの前にちょこんと座ったまま反応をしない。
「マルコ？そんなに真剣に何を読んでるの？」
そっと背後から近づきマルコの頭越しに彼の熱中しているものを覗き込んだ。
「ぅをい？何だよい！！帰ったのか」
「ふふ・・・ちゃんと声かけたんだよ？よっぽど夢中になってたんだね。何読んでたの？」
「これだよい」
そう言ってマルコがズイっとこちらに向けたのは動物図鑑だった。
「動物図鑑かぁ〜、なんか意外だね」
「そうかよぃ？？この本は写真も載ってて見ていて飽きないよい」
「お気に入りが見つかってよかった。それより服買ってきたから着替えてみて」
私はそう言って買ってきたばかりの子供服をマルコの前に並べた。
「こんなに沢山・・・・悪いよい・・」
マルコは小さな手で後ろ頭を掻きながら申し訳なさそうに言った。
「平気平気！もし使わなくても友達の子供とかに譲ろうと思うし」
「ありがとよい。じゃあ早速着替えてくるよぃ」
マルコはそう言うと一組の洋服を持ち脱衣所に向かった。
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紗良咲(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます。返信遅くなってすみません。とても励みになります！！これからもよろしくお願いします。 (2021年10月8日 23時) (
レス) id: 90730fcb24 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - この作品好きです!更新これからも頑張ってください!楽しみに待ってます! (2021年10月4日 20時) (レス) id: f024874d73 (このIDを非表示/違反報告)
紗良咲(プロフ) - ミィさん» ミィさん わぁぁぁ、本当にそう言って頂けて嬉しいです。頑張りますのでよろしくお願いします。 (2021年5月23日 22時) (レス) id: 90730fcb24 (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみに待っています！頑張って下さい！ (2021年5月20日 0時) (レス) id: 9ab59aac0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗良咲 | 作成日時：2021年5月8日 16時
