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________ガチャッ
乾いた音を立て、ドアノブを回す。
ひんやりとした冷たい空気が身体を包み込んだ。
外の空気だ。
玄関前に備え付けられている蛍光灯の灯りが、夜の闇を薄くさせている。
ドアの向こうには、誰もいなかった。
丸「・・なんや」
消えてしまいそうなほど小さな声で
吐息まじりに呟き、外へと足を踏み出す。
その瞬間だった。
鍵のかかる無機質な音がまるで僕を追い出すように、音のない世界に大きく響いたのは。
茫然と、黒いドアを見つめる。
この部屋には、なにかある。
背中に冷や汗が流れた。
それにしても、夜の深いこの時間帯。
大倉は一体どこへ出かけているのか。
大倉とは大学一年生の時からの付き合いなのに、大学三年生になった今でもまだまだ知らないことが多くある。
丸「・・・あ」
酒の入ったビニール袋から透けて見える、紺色の手帳。・・あの子の落とし物、持ってきてしもうた。
インターフォンを鳴らして彼女へ届けるか迷ったが、ドアを開けてくれるとは思えない。
それに、アカンことやって分かってるけど、その手帳に書かれている内容が気になってしょうがない。
秘密を覗いてみたい。
そんな衝動に駆られて、ビニール袋から手帳を取り出し、最初のページを開いた。
【これは、私が私を見失わないようにするために執筆した、日々の記録である。】
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なっち(プロフ) - まるさん» 最後まで読んでくださり、ありがとうございます´`*そう言っていただけて嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月7日 23時) (レス) id: 8e3efa0f37 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 完結おめでとうございます!なっちさんの世界観にハマってしまいました(^^)これからも頑張ってください! (2021年3月7日 17時) (レス) id: f186c42411 (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - エムムさん» お返事遅くなってしまい、申し訳ございません(><)ゆっくりですが、コツコツと更新していきます!コメントありがとうございます´`* (2018年2月7日 19時) (レス) id: ca6adbf52b (このIDを非表示/違反報告)
エムム(プロフ) - 更新楽しみにしてます^^ (2017年11月29日 5時) (レス) id: d0682dc8ac (このIDを非表示/違反報告)
なっち(プロフ) - o0_chuさん» ありがとうございます!どんでん返しのある作品にしたいと考えておりますので、是非最後までお付き合いいただけたら嬉しいです( *˙˙*) (2017年3月22日 14時) (レス) id: b1a9362e1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっち | 作成日時:2017年3月10日 15時