ガラスの人形（緑）

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丸「大倉ー、トイレ貸して」

大「ええよ、突き当たりを右な」







暖かな昼の日差しが窓から差し込み、廊下を照らす。トイレから出ると、そんな暖かな空間の中で伸びをする。







丸「んぅ・・って、何やあれ」







目の前のドアの隙間から見えたのは、色白な腕。
え、なに。もしかして、ホラー？
さ、殺人事件・・やったりして。







丸「・・・」







隙間からそーっとその部屋を覗くと、そこは寝室やった。ベッドに座っている華奢な後ろ姿に目を見開く。



白い柔らかな素材のワンピースを着ていて、髪は栗色で腰まである長さ。









何やろ、この違和感は。彼女はまるで作られた人形のような後ろ姿をしていた。





もしかして、本当に人形やったりして。


・・・きっとそうや。





女性に興味のない大倉が女の子を自室に幽閉する意味が分からへんもん。女性に興味ないなら、愛人ってわけでも無さそうやし。ラブドールとかいうアレやきっと。







大「丸、お菓子食べるでー」

丸「あ、・・はーい」







リビングから聞こえてくる大倉の声に思わずビクリと反応してもうた。



２人のもとへと戻る前に、もう一度その部屋を覗くと、ビー玉のようなキラキラとした綺麗な瞳とパチリと視線が交わった。



それは人形ではなく、人間やった。

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