夜想曲第2番変ホ長調（赤）2章

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丸山先生が待っている駐車場へ向かう。



車は艶のある黒色。









丸山「さ、乗って」



「はい、失礼します…」









車内に乗り込むと



縫いぐるみが飾られてあって



男の人の割に可愛らしい。



もしかして、彼女が持ってきたのかな。









「丸山先生って彼女いるんですか？」



丸山「何で？」



「なんとなく」



丸山「何やそれ」









いつもの様にフニャッと笑い



“居らんよ”と1言呟いた。









丸山「雨宮さんは？」



「私ですか？」



丸山「渋谷先生のことまだ好きなん？」









チラッと丸山先生を盗み見る。



運転している丸山先生の横顔は



いつもの雰囲気と違い



一瞬だけドキッとした。








「先生には内緒です」








そんな簡単に諦められるはずがない。



…でも、



私の“好き”という感情には



どの位の重さで



どの位の想いがあるのだろう。



報われない恋なら



いつか冷めてしまうのかな？








けれども、決して1枚の紙の様に



薄っぺらいものではないのは確かだ。









「“好き”っていつか薄れていってしまうものですか？」



丸山「どうしたん？急に」



「…忘れて下さい//」



丸山「もし、心が距離を置いても本能が“好き”なんやって覚えとるから」



「…」



丸山「雨宮さんならきっと大丈夫」









丸山先生の“大丈夫”と言う言葉に



少しだけ安心している自分がいる。



やっぱり、丸山先生には



不思議な力があるのかも。

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