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story15 ページ15

 
 
 

 
 
悲鳴を上げようとした瞬間、口を塞がれて
 
 
 
 
 
 
「 俺だよ、A 」
 
 
 
 
 
そういって私の名前を呼ぶのは、私の一番大好きな声
 
 
 
 
 
 
振り返れば、そこには少し焦った表情のオミがいた
 
 
 
 
 
 
 
 
「 ... なんで名前 」
 
 
 
 
 
 
「 さあな 」
 
 
 
 
 
悪戯に笑う彼は、数年前とひとつも変わってない
 
 
 
 
 
 
「 帰るぞ 」
 
 
 
 
そういって、歩き始めるオミはもう私の手を引いてくれはしない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マンションに着く、少し前
 
 
 
 
 
 
「 もう忘れよう、姉さん 」
 
 
 
 
私の方を見ずに言ったオミ、
 
 
 
 
その一言は、私に覚えているんだという嬉しさと
 
 
 
やっぱり、姉弟になってしまったという絶望感を与えた
 
 
 
 
 
「 ... そうだね、広臣 」
 
 
私の口から出たのは精一杯の強がりの言葉だった

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作者名:rabbit | 作成日時:2017年7月13日 20時

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