シルフィウム −Silk− ページ1
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シルクは何時も、数歩先に居る。
私の手を取って。
その広い背中を私に見せたまま、特徴的な歩き方で。
春には桜の舞う中を。
夏には浮き輪を引っ張って。
秋にはアスレチックで、差し伸べてくれて。
冬には寒くないようにって、繋いでくれる。
表情はそれぞれだけど、どれも私の右手はシルクの体温と
時を共有している。
今だって、ほら。
シ「A、どした？」
隣に居るシルクは手を繋いでくれている。
意外とメルヘン…いやロマンチストなシルクはお揃いなんかも嫌がらなかった。
と言うか、逆にプレゼントされたりなんかもした。
『シルクってさ、何時も…手繋いでくれるよね。なんで？』
思った事を言ってみる。
数秒の沈黙の後、返ってきたのはため息と…もう片方の手が握られる感触だった。
シ「お前な、俺が何時も手を繋いだら不味い事でもあんのか？」
…まさかの質問返し。
シルクの目は真剣その物。
『いや、無いよ？』
シ「なら俺も[Aと手が繋ぎたいから]って言うだけ。少しでも一緒に居たいし、少しでも一緒に居ることを実感したい。」
「それに…」と続けていくシルクに恥ずかしくなって聞こえないフリ。
『み、道のど真ん中ですので…シルクさん』
シ「…とりあえず、わかったか？」
俺が、お前と手を繋ぎたい理由。
ぼそりと耳元で囁かれて。
呆けてる間に右手がシルクの左手に拐われた。
…私、きっと右手も心も。
シルクに囚われたままなんだろうな。
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シルフィウム 花言葉 誘導 手引き
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作者名：しっぽ。 | 作成日時：2019年1月13日 18時
