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桜はまだ満開とまではいってない。
今年は気候の変化が激しくて、寒くなったり暖かくなったりで咲くのが遅いって、ニュースでやっていた。
それに、雨もよく降るもんなぁ。
公園の外から桜……というよりは、その男の人を見ていた。
このまま帰るなんてできなくてそっとその人に近づいてみる。
写真…撮りにきたんやろうか。
カメラ持ってるから。
公園の中に入ったけど、声かけてもええんやろうか。
変人やと、思われるやんな？
なんて思ってたのに、気づいたら堪らんくなって声が出ていた。
「あの……っ！」
思った以上に大っきい声が出てもうた。
後ろに人がいるなんて思わんかったろうし、その人はビクッと肩を揺らすとゆっくりと後ろを向いた。
「…僕、ですか………？」
「…そう、です……」
「どうかしましたか……？」
アカン。
話しかけたはいいものの、この先なに話すねん、なんも考えてへんかった…。
「か、カメラ……！…写真撮るの、…好きなんですか？」
咄嗟に出た言葉はくだらないことで。
それでもその人は少し驚いた顔をしたあと、ふわっと笑った。
「そうなんです、写真とるの好きなんですよ。」
「一人でよく撮ってるんです」
「そう、なんですね…。……お邪魔してもうてスミマセンでした。」
柔らかい笑顔。
まさにそんな笑顔を見せて話すその人は、見るからにいい人そうで。
その先 なにを話したらいいのか全く思い浮かばなくて自分から話しかけたくせに、この場から逃げ出すために 、背を向けて歩き出す。
なんて失礼なやつや俺は。
「あ、まって……！」
早足でこの場を去ろうとすると、後ろから声がした。
「名前……。名前、教えてくれへん？」
「大倉…忠義……です。」
「大倉くん、か。僕、丸山隆平言います。……そ、の……よろしゅうね。」
「よろしく、お願いします…。」
よろしく、ってなんや。
もう会えへんねや。
それとも、またここ来たらアンタに会えるん？
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りゆか(プロフ) - mki0823さん» うわああ、ありがとうございます！！とっても嬉しいです…！もう自分で書いてて切なかったです（笑）ぜひ次も楽しみにお待ちください♪ありがとうございました！ (2017年5月13日 20時) (
レス) id: d1f783af67 (このIDを非表示/違反報告)
mki0823(プロフ) - この作品大好きです。丸くんが泣いてるのに私も感動で泣きまくりました…。(笑)次のお話楽しみです♪ (2017年5月11日 23時) (レス) id: 554f8d0240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゆか | 作成日時：2017年4月16日 23時
