6 ページ15
.
だんだんと人通りもすくなってきて。
しまいには俺だけになった。
ホンマにここら辺は人居らんねんなぁ。
あんなに綺麗に見れるのに。
長い階段を上がっていると、ドーンっと突然大きい音が空にこだました。
始まったみたいやな、花火。
花火の音につられて少し早足になった。
やっと階段を登りきると、木の下あたりに二つの人影が見えた。
花火の光に照らされて顔が見える。
……マルと大倉。
ドーン、ドーンと止まることなく花火は打ち上がり続けて、
その光は二人を照らす。
俺はこの場から動けない。
行っちゃあかんって、それくらいアホでもわかる。
大倉よりも少し背の低いマルが大倉を見上げて、大倉がゆっくりと顔を傾けながら近づく。
抵抗することもなく大倉の中に収まるマルは、やっぱり可愛らしい。
お似合いやん。
俺、邪魔したらあかんって。
分かってる、分かってんねん。
でも足が動かへん、目が離せられへん。
花火なんか見えへん、音だけが耳に響いて、静止画のようにマルと大倉のキスしてる所だけが目に映る。
時間にしたらどれくらいやろ？
わっからへん。
「……亮ちゃん？」
そんな声で、ハッとした。
「あ、……っとお邪魔やんな。俺……、帰るわ。」
しんどいって流石に。
分かってたけど、いざ目の前で見るとなるとまた違うやん。
「まって……っ、」
「……なんやねん。離せや。」
引き止めてくれたマルに八つ当たりして。
足早に階段を降りる。
辛いから、今は一人にさせてほしい。
「亮ちゃん。」
「……なに、大倉。」
半分くらい来たところで、今度は大倉の声。
マルは置いてきたらしい。
悪いけど、おまえの顔なんか当分見たくない。
……ホンマに俺ってクソやな。
自業自得やのに。
「なんか勘違いしてる、やろ？」
「見てたんやろ？アレ勝手に俺が隆平にキスしただけ。別に付き合ってへんし、……フラれてるし俺。」
「は？フラれてる？」
「そ。好きな人おるんやってさ。まあ、相談されてたし、知ってたんやけどね。」
「鈍感すぎて全然気づいてくれへんって、泣きつかれてしまいには昨日もう諦めるとか言うから、さマル。」
「……そうなん。」
知らんかったそんなん。
なんで俺の方が大倉より一緒におんのに、俺にはなんも言ってくれへんの？
俺にはそんなに話しづらいん？
なんてまたマルをせめる自分に腹が立った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 402人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りゆか(プロフ) - 月兎さん» 初めまして♪うれしいお言葉ありがとうございます！！リクエストかしこまりました！少々お待ちください！ (2018年3月29日 9時) (
レス) id: d1f783af67 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 初めまして！いつも、りゆかさんの小説見させていただいてます！特に黒橙の絡みが大好きです！他にも緑橙とかも好きです！今回リクエストお願いしたいのですが、黒橙の絡みを見てみたいです！(裏ありでもなしでもどちらでも構いません！)、遅くなっても構いませんので！ (2018年3月28日 23時) (レス) id: 8bf08b00d2 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - ありがとうございます！続き待ってます！ (2017年9月29日 20時) (レス) id: cbcd1fbdef (このIDを非表示/違反報告)
りゆか(プロフ) - 沙耶さん» 了解しました ！少々お待ちください ！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: d1f783af67 (このIDを非表示/違反報告)
沙耶(プロフ) - 緑×橙のほんわかした感じからの裏がみたいです！ガッツリ裏でもちょっと裏でもどちらでも大丈夫です！設定は家でお願いします！ (2017年9月28日 21時) (レス) id: cbcd1fbdef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りゆか | 作成日時：2017年8月22日 0時
