二度目で最後 ページ33
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はぁはぁ
はぁはぁ
はぁはぁと律動を刻みながら不死川の屋敷へとAが向かう
走りながら考えた
どう言おうか
なんて謝ろうか
ずっと走っているのに全然疲れなかった
早く会いたい
もう一度伝えたい
そう思うと疲れなんて吹き飛んだ
あぁ最初から
伝えることなんて走り出した時から決まっている
走り出した時の朝日は私をほんのりと包み込んでくる
着いた
ガラッと戸を開けて部屋に向かう
｢師範｣
書物を読んでいた不死川はこちらを振り向く
｢お話したいことがあります｣
｢俺はねぇよ｣
パタンと書物を閉じ腕を組む
｢私はあります｣
｢俺にはねぇんだよ､勝手に入ってくんな｣
弟子と師範の関係にあった日々の態度と全くもって違い
少したじろぐ
｢師範は……実弥さんは嘘つきです｣
｢あぁ？｣
｢玄弥君の事だって本当は守る為に生きているのに､本人の目の前ではきつく当たって｣
｢うるせぇ､やめろｫ…｣
ビキ､と額の血管が浮きでてきた
それでも思っていた事を話す
｢それで彼が傷ついてるんじゃ意味ないじゃないですか､どうして素直になれないんですか｣
｢いいから､さっさと帰れ｣
平常心を保つ為なのか感情を込めずに不死川は言葉を放つ
｢嫌です､私は伝えなきゃいけないことがあるんです｣
立ち上がり部屋を離れようとする不死川の手を掴む
｢待ってください､お願いします｣
二度目だと言うのに緊張で声が震える
｢私は､師範を…｣
お慕い､そう言おうとした時だ
ドンッ
一瞬何が起こったのか､速すぎて分からなかった
｢これ以上､言うなｧ……｣
気づくと目の前に師範がいて両腕を捕まれ
あの¨春の日¨のような顔をしながら
床に押し倒されている
｢師範…実弥さん､お願いです｡私の言葉を受け取って貰えませんか？｣
｢そうしないと…呪ってやりますから｣
｢お前は出会った時から俺の心を弄ぶ｣
不死川の手に一層力が入る
｢弄んでないです､動かしたかったんです｣
｢私は大丈夫です､実弥さんがいれば怖くない｣
｢大好きなあなたの隣にいれば｣
そういうと不死川は驚いた顔をして
手の力を緩ませた
開放されたその両手で不死川を抱き寄せ
強く
強く
強く抱き締めた
もう離さないように
｢私は師範を､実弥さんをお慕い申しております｣
｢誰だって一人は寂しいですから｣
私はあなたと生きたい
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aya(プロフ) - とってもとっても感動しました！ (2020年10月24日 2時) (
レス) id: 59795850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごい感動しました！！表現の仕方がめっちゃきれい…！この作品は、控えめに言って��神��ですね(*'▽') (2020年7月12日 15時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2020年6月27日 20時
