雨と涙 ページ30
．
不死川様と別れ､見回りへ行く
雨は止むことなく降り続けている
都合がいい
まだ止まらない涙を隠してくれる
止まらない
どうして､私は伝えてしまったのだろう
叶うはずもないのに
｢………っ､ふっ………………うぅ｣
つい声が漏れてしまう
もう師範と弟子の関係ではない
｢どうして…私は…｣
感情の整理がつかず
独り言をつぶやく
｢……Aさん？｣
ハッとなり後ろを見ると
｢…玄弥君？｣
｢ど､どうしたんですか？｣
｢あっ､いえ､なんでもないよ｣
Aは慌てて涙を拭く
｢もしかして泣いてましたか？｣
｢な､泣いてない｣
｢……兄貴ですか？｣
勘が鋭いのか
私の反応がわかりやすいのか
｢とりあえず､濡れたままだと風邪ひきますから｣
ここから近いんで､とそう言われ､後をついて行くと
岩柱様の屋敷だった
｢あの時､俺を助けてくれてありがとうございました｣
｢いえ､気を失ってしまってお役に立てなくてごめんね｣
｢その後の体調は大丈夫ですか？｣
｢えぇ､もう大丈夫｡……もう少ししたらまた戻りますね｣
話を切り出される前に逃げてしまおう
｢兄貴に何か言われたんですか？｣
｢……………｣
｢…すみません､兄貴が迷惑を｣
｢いや､師範…風柱様のせいでは無いです｡私のわがままで｣
｢何か言ったんですか？｣
｢…………………風柱様をお慕い申してると｣
ちらりとみると予想通り
驚いた顔をしている
｢Aさんが兄貴に…ですか？｣
我ながらなんと無様な告白だろう
｢………はい｣
あぁ､自分が嫌になる
もうこの屋敷を出よう
｢こんな俺が言うのもなんですが兄貴を､よろしくお願いします｣
予想外の言葉が飛んできた
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aya(プロフ) - とってもとっても感動しました！ (2020年10月24日 2時) (
レス) id: 59795850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごい感動しました！！表現の仕方がめっちゃきれい…！この作品は、控えめに言って��神��ですね(*'▽') (2020年7月12日 15時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2020年6月27日 20時
