少し前 ページ15
｢おい！鬼ぃ！どこだ！出て来いやｧ！！｣
｢きゃああああ！！！｣
｢やめろぉぉぉおお！｣
声を辿りに鬼がいる家へと入る
鬼の足元には悲鳴をあげていただろう女の体があった
ビキビキと至る所の血管が浮きでる
｢てめぇ､死ね｣
頸を斬り鬼の体は塵となり消える
｢すまねぇ…間に合わなくて｣
肩から腹を斬られ血が嫌という程出ていた
｢…あの子を守って｣
女の横にいた男がそう呟く
男を見ると下半身がない､話すのもやっとだろう
｢…鬼狩り様､お願いです､あの子を｣
｢私たちの宝物を…｣
｢…Aを｣
光が消えゆく目に涙が溢れる
｢わかった､必ず守る｣
｢だからもう休め｣
｢ありがとう…｣
母親はそう言うと少し微笑み静かに目を閉じる
悲鳴を聞き付けてきた近所の人が様子を見に来た
｢そこのじいさん､ここの子供はどこにいる？｣
｢へぇ？あんた誰だい､これは…｣
家の中を覗きに来たじいさんは絶句していた
｢鬼の仕業だ､今仕留めた｣
刀をしまい母親と父親の顔に布を被せる
｢あんたぁ､鬼狩り様かえ？………Aちゃんかい？ここに居ないのかい？｣
鬼の腹の中だったのか
＿＿＿＿¨誰かいるの？¨
｢……まさかあいつか？｣
｢Aちゃん､来ちゃダメ！｣
外からAの名を叫ぶ女の声が聞こえる
不幸中の幸いか
神様の悪戯か
｢様子を見た時にはもう…｣
家の外は様子を見に来た人でざわついていた
｢こりゃあ､ひでぇや皆やられてらぁ｣
家から出ていくじいさんが言う
その後を着いていき外に出る
｢みんな…？｣
さっきの子供だった
｢母さんは…？父さんは…？｣
声を震えさせながらそう聞かれると
町の人は下を向き口を閉ざしてしまう
｢誰？誰なの？私の家族を奪ったのは｣
声を震えさせながら問う
俺だ
家の中へ行こうとするAを止める
｢助けられなくてすまねぇ｣
ただ謝るだけしか出来なかった
今の俺の顔はどんな顔をしているのか
俺の顔を見てAはどんどん目の光がなくなっていく
｢これは…¨鬼¨の仕業だ｣
じいさんが小さく呟く
町にAの泣き声が響く
明るかった月夜も
いつの間にかいなくなっていた
桜が散る
そんな日だった
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aya(プロフ) - とってもとっても感動しました！ (2020年10月24日 2時) (
レス) id: 59795850b9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごい感動しました！！表現の仕方がめっちゃきれい…！この作品は、控えめに言って��神��ですね(*'▽') (2020年7月12日 15時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼 | 作成日時：2020年6月27日 20時
