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イブは潤くんと会わないんだ、と思うと悲しくなったけど、なぜか心のどこかでホッとする自分がいた。
イブ前日の祝日。
デロデロに甘いであろう街には出る勇気がなくて家で過ごした。
浮かれた雰囲気に酔いしれないために。
だけど、じゃあ今まで過ごした数ヶ月はなんだったのか、という気持ちにはフタをした。
とにかく何でもないということが全てだったから。
とにかく今は潤くんに会わなくていい、ってことだけが少しだけ心の傷を癒していた。
あやふやな気持ちを抱え込んだまま、相変わらず潤くんが送ってくるメッセージに返事をした、休日の就寝前。
ふいに、電話がかかってくる。
あ、そういえば。
「…先輩」
「また先輩？」
「あ、ごめん。ケンタくん」
無理しなくていいけどね、と電話口で笑うケンタくんの声は、なんとなく寂しそうにも聞こえた。
それより、と話し始めたころにはいつもの穏やかな口調に戻っていたけれど。
「明日のこと、考えてくれた？」
「あ、うん。やっぱりごめん、」
「あーマジか。予定入ってるの？」
「入ってる、っていうか、」
正確には、入ってました、なんだけど。
そこでうまくウソをつけないところが、まだまだピュアだな、と心の中で苦笑する。
ケンタくんも、それを感じとっていた。
「ウソでも入ってるって言っちゃえばいいのに」
「え、」
「そういうとこ、ウブだよな相変わらず」
「バレてる？」
「かなり」
思わず、電話口でお互い笑ってしまう。
意外とバレるもんだな、と思ったら一緒に過ごした時間の長さを感じる。
「まあ無理にとは言わないけど」
「うん、」
「しばらく会えないと思うからさ」
ずき、と胸が傷つく。
なぜか会えないと言われると、少し悲しくなる。
少ない時間を私に当てようとしてくれているのに、悪いことしている気がしてきた。
「…行こうかな」
「え、」
「え、あ…、」
自分でも何でそんな言葉が出てきたのか分からない。
申し訳ない気持ちから出た言葉だったのか。
懐かしい恋人に、同情の気持ちが溢れたのか。
「いいの？」
「…え、と、少しだけなら」
「うん、じゃあ少しだけ」
ダメとは引き下がれなくて少しだけということを何度も伝えると、俺も次の日仕事あるし、と言われてホッとする。
少しだけ会って帰ればいい。
ご飯を、と言われたら食事だけ。
飲みに、と言われたら一杯だけ。
少しだけ。
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なつめ(プロフ) - 真由美さん» はじめまして＊お返事が遅くなりましてすみません。お話を気に入っていただいてたなんて、とてもうれしいです＊続編、番外編、書けたら書いてみたいです！お約束はできないのですが、少しずついろんなお話を書いていきたいと思ってます＊ (2016年11月15日 1時) (
レス) id: d97a9250d2 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - みやこさん» はじめまして＊お返事が遅くなりましてすみません。お話を楽しみにしていただいてありがとうございました＊優しい潤くんに甘やかされるだけでとろけちゃいそうですよね（笑）次回もがんばります＊ありがとうございました！ (2016年11月15日 1時) (レス) id: d97a9250d2 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 美紀さん» こんばんは、お返事遅くなりましてすみません。おかげさまでようやく最終話を迎えました＊潤くんのお話も翔さんのお話もたくさん読んでいただいてありがとうございました！とても幸せです＊ (2016年11月15日 1時) (レス) id: d97a9250d2 (このIDを非表示/違反報告)
真由美(プロフ) - はじめまして。毎回キュンキュンしながら読ませていただいていのでもう終わりだと思うと寂しいです。潤くんの小説他より少ない気がしていたため気に入った小説に出会え嬉しかったです。もしよろしければ続編、番外編をお願いしたいです。次回作も楽しみにしています。 (2016年11月9日 20時) (レス) id: b6bccf650d (このIDを非表示/違反報告)
みやこ(プロフ) - 初めまして！毎週更新されるのを楽しみにしてました。気持ちを隠さなくなった潤くんの甘さにキュンキュンしながら、もう終わりなんだなぁって寂しくなってました。長い間お疲れ様でした。次回作も楽しみにしています！ (2016年11月6日 23時) (レス) id: ec4065a8bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2016年6月4日 21時
