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「二人とも、話しているとすごい楽しそうだよ？」
思わぬことに驚くが反論も出来ない。
事実、鬱くんと話すのは素が少し出せて楽しいし、話すことも話すこと。
学校一のモテ女子と付き合いたい自慢で近づいて来る人たちは私の趣味を知ってか知らずかここらのケーキ屋だの雑貨屋だのに行こうと言う。
まぁ、甘いのは好きだし小物を見るのが嫌いなわけでもないのだが素が出せないため本当に楽しむことは出来ない。
その点、鬱くんは何故かゲームが好きなことも知っているし出掛け…たことはないんだけれど今度ゲームセンターに行く約束もした。
音ゲーマジ神。
あ、はい。まぁなんやかんやでペ神先生が、言うことは間違いではない。
「……観察でもしてるんですか？」
「ん？いや、春風さん、よく兄さんに話してるでしょ？」
「え、あぁ、先生で唯一心を許してる人ですし」
兄さん先生は本当の兄みたいで、兄弟がいない私にとって兄のように慕っている。
ので、自然なのか…？まぁ、うん。相談もするし近況報告もする。
さて、兄がいる方に質問なのだが。
兄って厳しいですか？？
兄さん先生たまにすごい厳しいのよ。怖いの。
まぁ、その後に撫でてくれるからいいんだけど。
「で、兄さんと情報共有みたいなのをしててね、二人とも楽しそうだよねって話をしたの」
「……え？話ついてけないんですけど」
整理をしよう。兄さん先生を兄のように慕っている。
そのため、相談している。
鬱くんもペ神先生に相談している。
ここまではオッケイ。
先生同士が情報を共有している。
いやまて。おかしいぞ。共有する必要ってないよね？
「え、あ、戻るんですけど。
楽しそうなのは認めますよ？でも、なんでそれがゲームが終わるに繋がるんです？」
「え、わかんないの？」
「分かりませんよ？」
「まじかぁ……」
頭を抱えるペ神先生。
恋には疎いが他は疎くない。恋以外は疎くはない。
これ覚えとけ。
まぁ、そんなわけで恋心にも気付くわけないよね。うん知ってた。
「だからね、君たち二人はお互い苦労している。
だから、素で楽しめてないって結論に至ってるの。なんだけど、二人でいる時は楽しそう。
この意味、分かる？」
「えっと……心を許してる？」
「いやまぁ、そうなんだろうけどね？他にない？」
「……ないです」
「えぇ……まぁいいや。もうすぐ気付くよ。
話し終わったよ」
「……え？ほんとだ、話終わってる。」
結局、ペ神先生の言いたいことはわからなかった。
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作者名：凪沙 | 作成日時：2018年7月24日 13時
