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4時5分。
帰る準備をしていて気付いたしそのまま待ってようかと思った。
荷物を隣の机に勝手に置かせてもらい机に突っ伏す。
時計は見ない。待ち合わせがここなんだからいずれ来るだろう。
5分くらい経っただろうか。
聞き慣れた声が降りかかった。
「……Aちゃん、来るの早ない？」
「そりゃまぁ、自分の教室だから」
「……ふふっ、そうやね」
ガタン、と音がして椅子が引かれる音がした。
「……ごめん」
「……別に、いいですよ」
「……ほんとにごめん。約束破って」
「いいですって！」
謝られるのは、嫌いだ。
なのに、まだ謝ろうとする。
「謝らないで、謝られるの嫌いだから」
えっ、と声が聞こえたが了承された。
辺りは気まずい雰囲気だ。
相変わらず私は机に突っ伏したままだし。
「Aちゃん、」
ふわふわした少し柔らかさのある話し方じゃなく芯のあるしっかりした声、話し方。
違う雰囲気に思わず息を呑む。
「なんですか……」
少し、声が強ばった気がする。
別に私が何か言うわけじゃない。
言われる側だけど緊張する。
「ずっと好きでした」
分かってた、薄々感じてたけど言われたら驚いてガバッと体を起こした。
「中学の頃、覚えてる？誰とも話さない、そんな君がシャオちゃんと話してて笑ってた君がマスクの上からでも分かるくらいに輝いて見えて、高校に入ったら変わって、やっぱり可愛かったなって思って。
同じ委員会だったから話しかけてみれば礼儀が正しくて動作が可愛らしくて、他の生徒会の人と話してるのを見たら恋人じゃないのにイヤだったし……あの時、約束破って傷つけたって後悔した、回りたかったって思った」
少しだけ恥ずかしそうにだけど自分の思いを全部伝えてくれて嬉しかった。
他の人だって同じように、告白してきたけど、嬉しいとは思った、けど。
鬱くんから告白された時はそれとは比にならないくらいに嬉しかった。
兄さん、これが好きって気持ちですか？
「付き合ってくれない、ですか？」
真っ直ぐな藍色の瞳が私を見た。
「私、好きって気持ちが分からないけど……
それでもいいなら」
よろしくお願いします
さっきまでの真剣な表情がうそのように笑顔を向けてくる。
「ほんまっ？よろしくなっ！」
ニッと笑って嬉しそうだなと思った。
少し、可愛いなと思ったのは秘密。
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作者名：凪沙 | 作成日時：2018年7月24日 13時
