１７ ページ17
「Aちゃん、壁と背中合わせで座って、出来るだけ小さく丸まってて、ね？」
ふわりと優しい笑顔で言われ頷き、言われた通り壁に背中をくっつけ体育座りをする。
「なんだよお前ら！……ｯ!」
腕を振りかざすもグルッペンさんに腕を捕まれそのまま捻り上げられる。
「くっ……」
苦しそうに顔を歪める主犯格の男。
そんな姿を口元に微笑みを浮かべたまま眺めるオスマンさん。
彼ならイケると思ったんだろう。
連れの男の内、一番モテそうな容姿の不良1がオスマンさんに殴り掛かる。
「ふふっ、そんな簡単な動きじゃだめだよ？」
即座に勘づいて殴りかかってきた不良1に華麗な蹴りを入れる。
不良1は見事にその蹴りをくらい呻き声を上げ倒れた。
「……何？そんなに戦いたい？」
オスマンさんを睨んでいた不良の3人。
いかにも相撲してます風な太っている不良2。
典型的なチャラさの不良3。
真面目そうな黒髪に不良の服の不良4。
その視線に気付いたオスマンさんはニッコリと効果音がつくくらい可憐に微笑んだ。
「ん〜、どうする？戦う？」
挑発するように言えばそれにノッた不良3人が一斉に襲いかかった。
……不良3人は目にも止まらぬ速さで倒れた。
オスマンさんは目の前で行っていたから解説のようなのができたがグルッペンさんは……あれ、あの人どこ？
「なぁ、二度とAに＿＿ないか、＿＿してまた俺らに＿＿＿にされるか、どっちがいい？」
少し遠くで言っているから聞き取れない。
しばらくして、主犯格が来て他の4人を引き連れて帰って行った。
もちろん、私への謝罪をした後に。
主犯格の男に一体何が起こったのか＿＿
「Aちゃん、大丈夫？」
屈んで私と目線を合わせてくれるオスマンさん。
「大丈夫、です……」
「ほんと？何かあってからじゃ怖いから遠慮しないでね」
「はい、ありがとうございます……」
首を傾げて聞いて、答えれば良かった、と言わんばかりにニコニコしている。可愛らしい。
「そういえば、大先生と約束してたよな？送ろっか？」
「いや、オスマンさん、用事ありますよね？」
「んーん、10分だけ休憩もらったから今はフリータイムだよ」
ね、どう？なんて言ってしゃがんだままの体制で顔だけこちらを向いて、上目遣いで見てくる。
「じゃあ、お願いします……」
「やったぁ〜、ありがとっ！グルッペン！行くよ〜！」
バッて立ち上がり私の手を引き校舎へ向かうオスマンさん。気付けば、グルッペンさんもいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：凪沙 | 作成日時：2018年7月24日 13時
