【ワンピース】短編集 (ページ8)

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ローは心配性ページ8

トントントントンと苛立ちを隠せず机に指で音を刻む

「おい、ベポ！あいつはまだ帰ってこねぇのか！」

「ま、まだですキャプテンっ！」

いつにも増して眉間に皺を寄せながら聞くと
ベポと呼ばれたシロクマがそう答える

出掛けたっきりAがまだ帰ってこない
…ただそれだけ

この男はAに関してだけかなりの心配性なのである

｢俺がついて行けば良かった｣

「で、でもキャプテン、Aがイッカクと出掛けたいって言ってたんですよ。だから今日は2人で……」

「あ゛ぁ？？！？」

「はい…すいません…」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

----------1時間後---------‐

コンコンと船長室をノックする音

『ローくん居ますか？ただいま戻りました！』

ドンドンドンドンッ！バタンッ！

「おい！A！てめぇいつまで俺を待たせる気だ！」

『ローくんっ！えっあのっそのぉ…30分くらいのつもりがお買い物楽しくなっちゃって…お、遅くなっちゃってごめんなさい…』ｼｮﾎﾞﾝ

「なっっ…………そ、そんな顔すんじゃねぇ！」

『…だ、だって…ローくんが…急におっきい声で…怒るから…ふぇ…』ｸﾞｽﾞ

「？！？！…泣くな！怒ってねぇよ！し、心配しただけだ！ほら泣きやめ！なっ顔上げて中入れ…」

Aを自室のソファに座らせ
頬にポロポロ落ちる涙を指で拭ってやる

『ご、ごめんなさい…心配…させちゃって…』ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

「俺の方こそすまなかった…怒鳴ったりして…泣かせるつもりはなかったんだ…」

『ううん、、心配してくれてありがとう』

「何故かAには過保護になっちまう…俺の目が届かない所だと余計にな…」

『………へへっ次はローくんと一緒にお出かけしてみたいな』

「そうだな…じゃあ、明日にでもどうだ？」

『うんっお願いします *^^* えへへっ』

すっかり泣き止んでニコニコ笑うAの髪を
よしよしと丁寧に撫でながら

俺の顔はさっきまでとはうって変わって
ニヤニヤと腑抜けた顔をしている

自分でも自覚しているがどうにもAには敵わない

(そろそろ俺だけのものになんねぇかな……)

……抑えておかないと心の声が漏れだしそうだ