まだ、伝えてないの。【#コンパス】 (ページ1)

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side ririka

朝起きて、ボサボサになってる髪と格闘しながらいつものツインテールに結んで、ハートの髪飾りを付けて、それから寝ぼけつつも魔法少女の服に着替えて、顔を洗って部屋を出る。

今日の朝ごはんはヴィオレッタさんがフレンチトーストを作るって言ってたかな、そういえば最近ジャンヌさんがブラックベリーのジャムを作ったんだったっけなって他愛もないことを考えながら廊下を歩いて、途中でアダムさんとかコクリコちゃんとかと会ったりして。

ヴィオレッタさんの「朝ごはんよー」の声でみんなと一緒に席について。

「いつも通り」を疑おうともせずにフレンチトーストにナイフを入れようとしてふと気が付いた。

「マルコスくん、いないね」

いくらマイペースと言えど3食のご飯はきちんと食べるし滅多に遅刻はしないマルコスくんがいないのだ。

まだ寝てるのかな、もしかしたら時間を忘れてアニメを見漁ったり漫画を読み耽ったりしてるのかなってクスリと笑う。

「しょうがないねぇ。あたいの出番かな」

まといちゃんがフレンチトーストに突き刺そうとしていたフォークをカタンと真っ白いテーブルクロスが掛かった机に置いて立ち上がる。

「あっ、リリカも行くよ」

リリカもガタッと椅子を押しやって立ち上がる。

まといちゃんが「助かるねぇ」って笑顔になって。

2人で食堂を出て、マルコスくんの部屋に向かった。