【血界戦線】たどり着くために。

Story８ ページ8

『じっとしててね』




「うむ、すまない………」








Aはクラウスの負傷部分に手を翳す。

すると怪我は消え、服は元通りになっていた。


まるで怪我など"無かった"かの様に思えてしまうほどに。




Aは台無しになってしまった鉢植えを見つめ、静かに言った。








『……また、買ってこようね』








自分を守ったザップは怪我をし、半分自分の所為でフェムトがこの様な騒ぎを起こした。


Aは"自分の弱さ故に"と自分を責め、泣きそうな顔で俯いた。

いくら大人びていても、やはり10歳の少女であることには変わり無かったのである。




クラウスはAに歩み寄り、そして肩に手を置き、優しく言った。








ク「安心し給え。君も、君の能力も、我々が全力で守る。

決して誰も君の所為などとは思っていない。無理をしなくてもいいんだ」








クラウスの言葉で自分の中で張り詰めていた強がりの糸が切れ、クラウスに身を寄せ、静かに泣き出すA。



クラウスは自分の情けなさに呆れ、後悔していた。

まだ小さいその少女に、一体どれだけの不安をさせ、どれだけの負担をかけていたか_______


クラウスはその小さな体を優しく抱きしめ、心の中で何度も反省を繰り返した。









しばらくすると、泣き疲れた様子でAは眠ってしまった。


クラウスはAをソファーに寝かせると、チェインからレオが無事にゲートの破壊に成功したとの報告があり、安心した様子である。









レオナルド・ウォッチ______

"神々の義眼"保有者である少年が新に加り、ライブラはより一層力を増した。



"秘密結社ライブラ"は世界の均衡を保つ為、暗躍していくのである。

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