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Story26 ページ26

ク「違うのだ。私は勝って戻って来ているのではない。

時間いっぱいまで受けきり、首の皮ひとつで逃げ延びて来ているに過ぎない。


……プロスフェアーは実力が拮抗する程、複雑さが増す。


加えて時間が経つ程、指数関数的に難度は上がるのだ。

Aはわかっているだろう。私が伯爵に"チェックメイトを忘れろ"

と言ったのはけしてレトリックではない」









クラウスが語っている最中、Aは初めてクラウスにプロスフェアーを教わった時の事を思い出していた。







さかのぼること2年前______




ある日、クラウスはデスクのパソコンでプロスフェアーを楽しんでいた。








『……クラウスさん、それなに?』




ク「…………」




ザ「A、こっち来い」




『……ザップ、あれなに?』








ザップがAを膝に乗せ、頭を撫でると、Aはクラウスの方を指して尋ねた。








ザ「あれは………そうだ、A。

チェスはともかく、ジャパニーズ将棋はわかるか?」




『うん。

チェスも……なんとなく』




ザ「そんなら話は早い。あれはプロスフェアーっつうチェスと将棋の発展形、いわば合体して進化したゲームだ。

偉い頭脳戦みてぇだが、旦那はあれに夢中なんだよ。

今は話し掛けない方が身のためだ」




『……わかった』








当時7歳だったAは今ほど大人ではなく、まだ好奇心旺盛な子供で、単純にプロスフェアーに興味を持ち、クラウスに教わることを決めた。


そして、すぐにその能力を発揮し、クラウスに追いついていった。

だいぶ腕が上がってきた頃、クラウスがプロスフェアーの最中に"ある者"の名前を口にする。


それがドン・アルルエルである。

Aはあらゆる方法でドン・アルルエルの居場所を探し、ついに見つけた。




Aが頻繁にドン・アルルエルの元へ通い始めたのは、その時期からであった。

それからというもの、Aはすっかりその遊戯にはまり込み、今に至る。









そうして思い出に浸っていると、ウルツェンコが時忘れの庵から出てきた。




_____意識が薄れ、脳が崩壊しかけた状態で。


Aはやはり、といった表情でウルツェンコを見つめた。








『……ほら、やっぱり。

自惚れていたんだよ、哀れなミスターウルツェンコ』








Aの言葉を唯一拾ったドン・アルルエルは

静かに笑みをこぼし、そして失望した。

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丸公(プロフ) - コメントありがとうございます!私も血界戦線大好きです(*^^*)楽しみにしていただけているなんてとても嬉しいです!! (2016年5月21日 21時) (レス) id: b021fe2553 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっきー - 私も血界戦線だいすきです♪ いつも更新楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月10日 23時) (レス) id: 5cad5ba7f8 (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - はじめまして、丸公です。血界戦線、深くて面白いですよね!キャラクターもお話も良くて大好きです!コメント、本当にありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します! (2015年5月24日 18時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルゥ(プロフ) - 初めまして!とっても面白いです!私最近血界戦線見始めたので更新楽しみにしてます! (2015年5月24日 17時) (レス) id: 790376452c (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - かりんさん» はじめまして、丸公です。面白い、とおっしゃって頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2015年5月22日 23時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸公 | 作成日時:2015年5月7日 22時

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