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Story25 ページ25

ウ「は?」







ウルツェンコは呆れたように言い、クラウスに背を向けた。

Aはそれに怒りを覚え、たまらず話し掛ける。








『……ミスターウルツェンコ』




ウ「……なんだ君は。

先程から思っていたが、この子供は誰だい?僕以外知っているようだし」







そう言いながらAに近づこうとすると、ドン・アルルエルの付き人がそれを止めた。








ド「ダメだよ。その子は私の大事な孫のような子だ。危害を加えないでくれよ。

もし手を出そうものなら、無条件で君を殺す」




ウ「……ッ!!」








決して冗談ではない、それはこの場にいる全員が理解した。

ドン・アルルエルから放たれた殺気がじわじわと感じられ、ウルツェンコは思わず距離をとる。

後ろを見ると、他の二人も同じく殺気を放っていた。


一体、この少女は何者なのか。何故そこまでこの少女に執着するのか。

ウルツェンコはその疑問に恐怖すらも感じていた。
 







『私からもお願い。クラウスさんの言ったことを、絶対に忘れないで。

"チェックメイトを忘れて戦うこと"を、どうか忘れないでいて』




ウ「……ッ何を言っているのだ、バカバカしい…。勝つなという進言があるか。

意味がわからん」








Aの強い目を見て、ウルツェンコは思わず目を逸らす。

そしてまた背を向け、ドン・アルルエルの元へ向かった。








K「……観光気分ね……、全く。本当の意味で理解してんのかしら。

ただゲームがしたいだけならそれこそパリのカフェにでも行ってなさいっての」








クラウスはウルツェンコを深く心配し、黙り込む。

その頃には、何故Aが此処にいるかなど、気にしている余裕が無かった。









K「心配なの?クラっち。

大丈夫よゥ。だってあの人、世界的に凄いチェスの人なんでしょ?

こう言うとなんだけど、クラっち。あなた今まで4回生きて戻って来てるじゃない」








クラウスはK.Kの言葉を否定した。


Aに至っては、ウルツェンコが忠告を無視した時点で無事に戻って来れる筈がないということを確信し、既に諦めていたので、口を出す気がなかった。








『さて……、どうなるかな』








Aの呟きは誰にも聞こえず、虚しく消えてしまった。

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丸公(プロフ) - コメントありがとうございます!私も血界戦線大好きです(*^^*)楽しみにしていただけているなんてとても嬉しいです!! (2016年5月21日 21時) (レス) id: b021fe2553 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっきー - 私も血界戦線だいすきです♪ いつも更新楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月10日 23時) (レス) id: 5cad5ba7f8 (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - はじめまして、丸公です。血界戦線、深くて面白いですよね!キャラクターもお話も良くて大好きです!コメント、本当にありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します! (2015年5月24日 18時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルゥ(プロフ) - 初めまして!とっても面白いです!私最近血界戦線見始めたので更新楽しみにしてます! (2015年5月24日 17時) (レス) id: 790376452c (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - かりんさん» はじめまして、丸公です。面白い、とおっしゃって頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2015年5月22日 23時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:丸公 | 作成日時:2015年5月7日 22時

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