Story20 ページ20
Aの目はしっかりとレオを見据え、その能力が本当であることを語っていた。
『____とは言え、そんな風に使ったりは勿論してないよ』
レ「…っそ、そうだよね!!いやぁ、驚いちゃったっていうか……
その……アハハハ…ハハ…」
焦って苦笑いをするレオをみたAは、レオにとって何か悪い事をしてしまったような罪悪感に襲われた。
『能力っていうか……私の家で代々継がれてきたものだから。
私の他に、私と違う能力を持ってる人が日本にあと三人いる』
レ「へぇ……、だからその能力を悪用しようとしてる奴がいるってことか。」
『自分の気に食わない存在を、この世界から"なかったこと"にする、それが大半の目的かな。
言ってしまえば、本当にくだらないって感じなんだけどね』
フェムトもその一人であったが、Aは名前を口に出すだけでも嫌だったので言うのをやめ、話を続けた。
『でもこの能力、ちょっと厄介でさ』
レ「なんか、副作用みたいなもの?」
『ん……まぁ、そんな感じ。
この能力は無かったことにする対象の"モノの存在価値"があればあるほど能力者の体力が削られる。
ちょっとした小物が壊れたり、軽い怪我をしたくらいの傷を無かったことにするくらいだったら、どうってことない。
でもそれが大怪我だったり、ものすごく価値のある物だったりすると、倒れたり何日も寝込んだり、そのモノ相応の体力が削られるってこと。
代償を担うことは前提なんだ』
レ「それって、人の命……人の死を無かったことにも出来るの?」
レオは軽い好奇心からその質問をしたようで、何か深い考えがある様では無かった。
しかし、だからこそ、Aは答えを述べたくは無かった。
『……まぁ、ね。
人の命の価値は、平等なのに、平等ではない。
大統領の命と私達のような市民の命は、重さが違う。
でも死を無かったことにするには、差は無いよ』
レ「……………」
レオは今までの話を聞いて妹のミシェーラの事を思い出し、考えていた。
もしAの能力を借りてミシェーラの眼を取り戻せたのなら、と。
しかし、それはレオがライブラへ来た目的の意味を無にするのと同じ事である。
"自分がやらなければ何の意味もない"レオはそう思っていた。
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丸公(プロフ) - コメントありがとうございます!私も血界戦線大好きです(*^^*)楽しみにしていただけているなんてとても嬉しいです!! (2016年5月21日 21時) (レス) id: b021fe2553 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっきー - 私も血界戦線だいすきです♪ いつも更新楽しみにしてます(*^^*) (2015年6月10日 23時) (レス) id: 5cad5ba7f8 (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - はじめまして、丸公です。血界戦線、深くて面白いですよね!キャラクターもお話も良くて大好きです!コメント、本当にありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願い致します! (2015年5月24日 18時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)
ハルゥ(プロフ) - 初めまして!とっても面白いです!私最近血界戦線見始めたので更新楽しみにしてます! (2015年5月24日 17時) (レス) id: 790376452c (このIDを非表示/違反報告)
丸公(プロフ) - かりんさん» はじめまして、丸公です。面白い、とおっしゃって頂けるなんて本当に嬉しいです!ありがとうございます!更新、頑張りますね! (2015年5月22日 23時) (レス) id: 199c8ddcf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:丸公 | 作成日時:2015年5月7日 22時