別れの日は、 ページ39
「・・・ねぇ、Aの様子おかしくない?」
ふと車内に響いたドンへの声に、バックミラーで小さくなった彼女の姿を確認すると、彼女は走り去る僕達のバンに向かって、深々と頭を下げていて。
どんどん小さくなる折り曲がった背中を見て、ある確信を持つ。
ーきっと、別れの日は今日だったんだ。
最後の最後に彼女が僕についた嘘は、きっと僕のためを思ってついた嘘で。
こんな風に僕が葛藤することを分かっていて、葛藤の末に僕が二人に別れを教えてしまっても、手遅れになるように予防線を張ったんだろう。
それはおそらく、彼女の嘘によって手遅れになってしまえば、僕が罪悪感を感じなくてもいいだろう、という理由から。
そしてきっと、メンバーの中でただ一人、事実を知っていた僕が、なぜ教えなかったのか、とメンバーに責められなくても済むように。
彼女は、たとえどんなに辛い時にでも、誰かのことを考えて行動できる子で。
そんな彼女らしい振る舞いに、目がじんわりと熱くなる。
嘘がつけない子だったはずなのに、僕はそんな彼女の最後の嘘を、まったく見抜くことが出来なかった。
「おい、イトゥク、どうした?」
前を向いて涙を流す僕に、マネヒョンがギョッと驚いて。
「ヒョン、どうしたの?どこか痛い?」
「車酔いした?薬持ってるよ!」
「ヒョン、水飲む?はい、」
マネヒョンの驚いた声を皮切りに、
僕の異変に気付いたメンバーが次々と声を掛けてくる。
途端に騒がしくなる車内で、なぜかウネはだんまりを決め込んでいて。
真剣な顔でこちらを見ているヒョクと、
なにやら考え込んでいるドンへ。
「あと30分で着くから。大丈夫か?」
マネヒョンが優しく掛けてくれる言葉を切っ掛けに、二人からふい、と視線を外した。
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ななか - 突然すみません!最近読ませていただいてます!ついつい読見入っててしまいます!続きがとても気になります!更新楽しみにしてます! (2014年11月14日 10時) (レス) id: e31223459f (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 更新ありがとうございます!!楽しみにしてます! (2014年10月25日 13時) (レス) id: 2c49601377 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - ずっと以前から読み続けています。毎回引き込まれています。更新が楽しみでいつも待っていました。長く続けて欲しい作品です。 (2014年10月25日 11時) (レス) id: ef41c44d6b (このIDを非表示/違反報告)
まんぼー(プロフ) - ウネの切ない感じが、白日夢の曲の感じにピッタリだわ~!と泣きながら読んでましたwが…やっぱりトゥギひょん!男前ですね!それでこそリーダーだわ!みんなが幸せになってくれたらいいなぁ…続きお待ちしてますね (2014年10月25日 2時) (レス) id: 05377478b6 (このIDを非表示/違反報告)
みなチキン(プロフ) - 更新楽しみにしてますpq (2014年10月4日 8時) (レス) id: 335d4b0d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2013年8月5日 23時