検索窓
今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:414,021 hit

別れの日は、 ページ39

「・・・ねぇ、Aの様子おかしくない?」


ふと車内に響いたドンへの声に、バックミラーで小さくなった彼女の姿を確認すると、彼女は走り去る僕達のバンに向かって、深々と頭を下げていて。

どんどん小さくなる折り曲がった背中を見て、ある確信を持つ。


ーきっと、別れの日は今日だったんだ。


最後の最後に彼女が僕についた嘘は、きっと僕のためを思ってついた嘘で。


こんな風に僕が葛藤することを分かっていて、葛藤の末に僕が二人に別れを教えてしまっても、手遅れになるように予防線を張ったんだろう。


それはおそらく、彼女の嘘によって手遅れになってしまえば、僕が罪悪感を感じなくてもいいだろう、という理由から。



そしてきっと、メンバーの中でただ一人、事実を知っていた僕が、なぜ教えなかったのか、とメンバーに責められなくても済むように。


彼女は、たとえどんなに辛い時にでも、誰かのことを考えて行動できる子で。

そんな彼女らしい振る舞いに、目がじんわりと熱くなる。


嘘がつけない子だったはずなのに、僕はそんな彼女の最後の嘘を、まったく見抜くことが出来なかった。


「おい、イトゥク、どうした?」


前を向いて涙を流す僕に、マネヒョンがギョッと驚いて。


「ヒョン、どうしたの?どこか痛い?」
「車酔いした?薬持ってるよ!」
「ヒョン、水飲む?はい、」


マネヒョンの驚いた声を皮切りに、
僕の異変に気付いたメンバーが次々と声を掛けてくる。


途端に騒がしくなる車内で、なぜかウネはだんまりを決め込んでいて。


真剣な顔でこちらを見ているヒョクと、
なにやら考え込んでいるドンへ。


「あと30分で着くから。大丈夫か?」


マネヒョンが優しく掛けてくれる言葉を切っ掛けに、二人からふい、と視線を外した。

僕が許す→←彼女の決断



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (481 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
837人がお気に入り
設定タグ:ウニョク , ドンへ , superjunior
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ななか - 突然すみません!最近読ませていただいてます!ついつい読見入っててしまいます!続きがとても気になります!更新楽しみにしてます! (2014年11月14日 10時) (レス) id: e31223459f (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 更新ありがとうございます!!楽しみにしてます! (2014年10月25日 13時) (レス) id: 2c49601377 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - ずっと以前から読み続けています。毎回引き込まれています。更新が楽しみでいつも待っていました。長く続けて欲しい作品です。 (2014年10月25日 11時) (レス) id: ef41c44d6b (このIDを非表示/違反報告)
まんぼー(プロフ) - ウネの切ない感じが、白日夢の曲の感じにピッタリだわ~!と泣きながら読んでましたwが…やっぱりトゥギひょん!男前ですね!それでこそリーダーだわ!みんなが幸せになってくれたらいいなぁ…続きお待ちしてますね (2014年10月25日 2時) (レス) id: 05377478b6 (このIDを非表示/違反報告)
みなチキン(プロフ) - 更新楽しみにしてますpq (2014年10月4日 8時) (レス) id: 335d4b0d2c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くまこ | 作成日時:2013年8月5日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。