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何があったの? ページ30

「どういうこと?」


それは、いつかのあの日の再現のようで。


ヒョクとドンへには内緒で引っ越そうとマネージャーさんに相談していた時、目の前にいるこの人にタイミング悪く内容とその理由を知られてしまった。


ーそして、今も。
恐らく、部屋の外で私達の話を聞いていたであろうイトゥクさんは、いつもの天使の微笑みではなく、確かな怒りをその端正な顔に浮かべていた。


「・・・・・・・・」


言葉を失い、唖然とする私を見て、イトゥクさんははぁ、と大きなため息をついて。


「少し話そうか」


とほんの少し表情を和らげて、私を促した。





着いた先は、私の家。

芸能人であるイトゥクさんと、ただの一般人の私。


二人で、ゆっくり話し合える場所、と言ったら、やはりこの場所しか思いつかなかった。


ファンの存在に注意しながら、ようやく私の家へとたどり着くと、無意識のうちに安堵のため息が零れた。



「どういうことか、聞かせてくれる?」


そう切り出したのは、未だ真剣な瞳を向けるイトゥクさん。


どこから話せばいいのか、
どこまで話すべきなのか逡巡し、
言葉の出ない私を見て、彼はまた、大きな大きなため息をついた。


「・・・何かあった?」


まっすぐにこちらを見つめ、静かに尋ねるイトゥクさんの瞳には、もう怒りは浮かんでいなく、私を心配してくれる、いつもの優しい瞳に戻っていた。


「何もありません」


その優しい瞳に甘えてしまいたい。
そう思ってしまう自分を心の奥に必死に押し込める。


「じゃあ質問を変えるよ。辞める理由は聞かない。でも、どうして僕達に黙って辞めようとしてるのかは教えて」
「それは、・・・」


未だだんまりを続けて答えられない私に、イトゥクさんはさらに問いをぶつける。


「・・・あいつらと何かあった?」


名前を言われなくても、それがヒョクとドンへだということが分かってしまう自分が悔しい。


「・・・なんにも、」


Aちゃんって嘘がつけないね。


ふるふると首を振ると、イトゥクさんは苦笑いをしながらそんなことを呟いた。

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ななか - 突然すみません!最近読ませていただいてます!ついつい読見入っててしまいます!続きがとても気になります!更新楽しみにしてます! (2014年11月14日 10時) (レス) id: e31223459f (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 更新ありがとうございます!!楽しみにしてます! (2014年10月25日 13時) (レス) id: 2c49601377 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - ずっと以前から読み続けています。毎回引き込まれています。更新が楽しみでいつも待っていました。長く続けて欲しい作品です。 (2014年10月25日 11時) (レス) id: ef41c44d6b (このIDを非表示/違反報告)
まんぼー(プロフ) - ウネの切ない感じが、白日夢の曲の感じにピッタリだわ~!と泣きながら読んでましたwが…やっぱりトゥギひょん!男前ですね!それでこそリーダーだわ!みんなが幸せになってくれたらいいなぁ…続きお待ちしてますね (2014年10月25日 2時) (レス) id: 05377478b6 (このIDを非表示/違反報告)
みなチキン(プロフ) - 更新楽しみにしてますpq (2014年10月4日 8時) (レス) id: 335d4b0d2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2013年8月5日 23時

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