まる、さんかく、しかく。-SJ-4

出した答えは ページ28

あれから、三日。
考えても考えても、出した結論が正しいのかは分からなかった。


ーでも。
ユンジさんのあの冷たい目を思い返す。


彼女は、脅しではなく、きっと本当に行動を起こす。


善悪の判断がつかない程に、彼女の目は怒りに満ちていた。



「・・・本当に、気持ちは変わりませんか？」


マネージャーさんに私の意思を伝えると、彼はひどく残念そうに肩を落とした。


「残念です」
「・・・急ですみません。今までお世話になりました」


立ち上がり、深々と頭を下げる。


私が選んだのは、ユンジさんの思い通り、彼らの前から消えることだった。


「じゃあ、次の就職先は、」
「あ、それはいいんです」


初めの契約に則って次の就職先を探す、という話を進めるマネージャーさんを止めると、彼はへ、と素っ頓狂な声を上げて。


「しばらく、ゆっくりしようかと思って、」


ぎこちなく吐かれる私の言葉に、彼は納得したようにあぁ、と頷いた。


この半年間、半日のお休みはあったけれど、一日を通したお休みは数える程しかなくて。


おそらく、同年代の社会人よりは遥かに多い勤務時間をなんとかこなした私は、一応、しばらくのんびりできる程の蓄えくらいは持っていた。


「その代わり、一つお願いがあるんですけど・・・」


私が出したのは、この恵まれた条件に対して、恩を仇で返すようなお願い。



「本当に、それで・・・」


私の願いを聞いたマネージャーさんは、呆気にとられたようで言葉を失った。

取れる手段は一つだけ→←嘘だと、言って。

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