彼女への思い ページ24
ーDHー
練習途中で部屋を出て行ったAは、そのまま練習が終わっても戻ってくることはなく。
今日はこれからオフ、とはしゃぐメンバーが次々と帰っていく中、俺はポツンと残されたAの荷物の横に陣取り、ただひたすらに彼女を待ちわびていた。
「ドンへ、」
ポチポチと携帯を操作していると、
突然名前を呼ばれ、顔を上げると目の前にいたのは、親友の姿。
「ヒョク、どしたの?」
親友の真剣な顔を見て、今から言われることの想像がついたけれど、知らないフリをして聞いてみる。
「その・・・」
ヒョクは俺の質問に歯切れが悪く答えると、何度も世間話や仕事の話で遠回りをして。
そして、声を掛けられてから随分して。
ようやく本題へと話を切り出した。
「ドンへ、・・・Aのことどう思ってる?」
ヒョクのその問いに、やっぱり、と自分の考えが間違っていなかったことを知る。
さっき、Aを抱き締めていた俺を見た親友の顔。
その表情には、驚きとともに、戸惑いが浮かんでいて。
分かりたくなくても、親友の機微を感じ取ってしまう自分に嫌気がさした。
それは、確か、今からずっと昔。
Aのヒョクへの想いを感じ取った時と同じ気持ちだった。
俺にとって、ヒョクとAは、どちらもかけがえのない大切な存在で。
二人がうまくいけばいい、と本気で願っていた。
ー泣いているAを、この腕で抱き締めるまでは。
Aを抱き締めたあの瞬間、今まで、こうして彼女を抱き締めていたヒョクを、心の底からうらやましい、と思ったんだ。
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ななか - 突然すみません!最近読ませていただいてます!ついつい読見入っててしまいます!続きがとても気になります!更新楽しみにしてます! (2014年11月14日 10時) (レス) id: e31223459f (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 更新ありがとうございます!!楽しみにしてます! (2014年10月25日 13時) (レス) id: 2c49601377 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - ずっと以前から読み続けています。毎回引き込まれています。更新が楽しみでいつも待っていました。長く続けて欲しい作品です。 (2014年10月25日 11時) (レス) id: ef41c44d6b (このIDを非表示/違反報告)
まんぼー(プロフ) - ウネの切ない感じが、白日夢の曲の感じにピッタリだわ~!と泣きながら読んでましたwが…やっぱりトゥギひょん!男前ですね!それでこそリーダーだわ!みんなが幸せになってくれたらいいなぁ…続きお待ちしてますね (2014年10月25日 2時) (レス) id: 05377478b6 (このIDを非表示/違反報告)
みなチキン(プロフ) - 更新楽しみにしてますpq (2014年10月4日 8時) (レス) id: 335d4b0d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2013年8月5日 23時