まる、さんかく、しかく。-SJ-4

何を、しているの ページ21

「A、ドキドキしてる？」
「・・・してない」


毎回のように同じ問いをぶつけるドンへに、いつものようにへそ曲がりの答えを返す。


「・・・ふ、嘘つき」


耳元でくすぐるドンへの声に、さらに鼓動がうるさくなる。


いつもなら、気が済むまで私を抱き締めたドンへが、最後に私の顔を確認するように覗き込んで。

うろたえて真っ赤になった私の顔を見て、満足そうに笑うと、ようやく彼に解放される。


「・・・ドンへ？」


でも今日は。

私達を現実世界に引き戻したのは、聞き慣れた人の驚いた声だった。



「何してるの」


ひどく驚いているのか、少し掠れたヒョクの声。

慌ててドンへから離れようとするけれど、ギュッと強く私を抱いたまま、彼はその手を離そうとはしなかった。


「んー、スキンシップ？」


私を頭の上に顎を乗せて、平然と答えるドンへ。


ヒョクはそんなドンへに大きく間を開けてそう、と言葉少なに応じると、練習始まるよ、と小さな声で彼に伝えて。


「わかった、今行く。ヒョクありがと」


ドンへはそう笑うと、ようやく私を腕の中から解放した。


私から離れたドンへは、すぐに今度はヒョクに絡みつき。

先ほどまでの出来事がまるでなかった事のように振る舞う彼に、私は戸惑いを隠すことができなかった。

怒りを携えた人→←いつまでもこのままでは。

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