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苛立ちの理由 ページ14

どうにかドンへを引き剥がし、
仕事を進めていると、
休憩中にスタッフの一人が何やら機材を探していた。


Aちゃん見なかった?、と尋ねられ
キョロキョロと周りを見渡すと、
ヒョクの隣の椅子に目当ての物がちょこんと腰掛けているのを見つける。


「あ、あそこにありました!」


ほら、と指を差してもスタッフはまだ見つけられないようで、どこに?と辺りを見渡している。


「えっと、そこです。ウニョクの隣に、」


そう言った瞬間、
俯いて静かに休憩をとっていたヒョクが急に顔をあげ。

何かを言いたげに、じっとこちらを見つめている。


その表情には、苛立ちと怒りが混ざっていて。


ヒョクがどうしてそんな視線を向けるのか、
おおよそ予想がつくけれど、まだ彼ときちんと話す勇気はなくて、そっと気が付かないフリをする。


その後、彼らの出番が来るまで雑用をこなし、
そろそろSJの出番、というところで
いつものように彼らの仕事は見にいかずに
楽屋に残る私にまたスタッフの一人が声を掛けてきた。


「これここに置いとくから見てもらっててもいい?」


そう言って少し申し訳なさそうに貴重品を置いて出て行くスタッフが、誤って隣にあった誰かの荷物をバラバラとひっくり返してしまう。


あちゃー、これ誰のだっけ、と頭を掻くスタッフ。


「確か、ウニョクのだと思いますけど」

と散らばった荷物を拾い集めながら教えると、
楽屋を出て行きかけていたヒョクがぐるんとすごい勢いで振り向いて、スタスタとこちらへ向かって歩いて来た。


「な、何?」


真顔でこちらに歩みを進めるヒョクに、少し怯んで尋ねても、彼はじっとこちらを見つめたまま。



「・・・A、来て。ヒョンはそれ持ってて」


ガシッと腕を掴まれて、
ぐいぐいと楽屋の入口まで引っ張られる。


「何!?ちょっと、痛い!」


足を突っ張って抵抗するけれど、
男の力には敵わず、ずるずると引きずられていくばかり。



「ねぇ、何なの!?ちょっと、」


ぎゃあぎゃあと喚きながら引きずられていく私と
珍しく怒りをあらわにするヒョクを、
メンバー達は驚いたような顔で見つめたけれど、
誰も助けてはくれなくて。

結局、私は彼に引きずられたまま、
ステージ袖へと連れて来られてしまった。

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ななか - 突然すみません!最近読ませていただいてます!ついつい読見入っててしまいます!続きがとても気になります!更新楽しみにしてます! (2014年11月14日 10時) (レス) id: e31223459f (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 更新ありがとうございます!!楽しみにしてます! (2014年10月25日 13時) (レス) id: 2c49601377 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - ずっと以前から読み続けています。毎回引き込まれています。更新が楽しみでいつも待っていました。長く続けて欲しい作品です。 (2014年10月25日 11時) (レス) id: ef41c44d6b (このIDを非表示/違反報告)
まんぼー(プロフ) - ウネの切ない感じが、白日夢の曲の感じにピッタリだわ~!と泣きながら読んでましたwが…やっぱりトゥギひょん!男前ですね!それでこそリーダーだわ!みんなが幸せになってくれたらいいなぁ…続きお待ちしてますね (2014年10月25日 2時) (レス) id: 05377478b6 (このIDを非表示/違反報告)
みなチキン(プロフ) - 更新楽しみにしてますpq (2014年10月4日 8時) (レス) id: 335d4b0d2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2013年8月5日 23時

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