2話 ページ3
審神者side
今日は見習いが来る日だ。
皆楽しみに待っているが、私はどうも楽しく思えない。まさかとは思うが、その子が乗っ取りをしないか不安なのだ。
「主!見習いちゃんが来たよ!」
燭台切の声が聞こえて、慌てて門を開ける。
「今日から1ヶ月、この本丸でお世話になります!澪です!よろしくお願いします!」
『……よろしく』
直感とやらで感じてしまった。
あ、コイツ苦手だ、と…
さて、歓迎会が終わって1週間経ったのだが、やはり見習いはろくな奴じゃなかった。
自分が出来なかった事は全て私のせい。
自分はなにもしないのに。
今日も短刀達とどこかで遊んでいるだろう。
部屋を出て見習いを探しに行く。
どこだ、探しても見つからない。
すると、前田と平野が何かを話しているのが見えた。
『前田、平野。見習いを見なかった?』
すると、2振りは肩をビクッと震わせ、それから首を横に振った。
『そう、ありがとうね』
何か様子がおかしかったが、まぁいい。今は見習いを探すことに専念しよう。
「平野、見習いさまの言ってたことは本当なのでしょうか…」
「前田、主は心のお優しい方なので、そんなことはしていないと信じます!」
「…そうですね!行きましょう」
暫く歩くと、短刀達と遊ぶ見習いの姿が見えた。
『すみません、見習いさん』
すると、見習いは怯えたような素振りをして、私から距離を取った。
「っ!ご、ごめんなさい!これ、は違くて…」
何をそんなに焦っているのか分からない。
『私は別に怒ってなどいませんよ?仕事をしようと言いに来たのです。さぁ、行きましょう』
そう言って、私は見習いの腕を掴んだ。
否、掴もうとした。見習いの腕に触れる直前で、誰かから叩き落とされたのだ。
「あるじさん、そう言って、見習いさんを傷つけるつもりでしょ?」
『は?』
突然乱ちゃんにそう言われた。訳が分からない。
「ボク達、分かってるんだよ?あるじさんが見習いさんに仕事だって言って、見習いさんを傷つけてること。」
いや、どちらかというと傷つけられてるのこっち…(精神的に)
『いや、なにもやってなi』
「じゃあ見習いさんの腕の傷はなんなの!?」
知らんよ…
「もうやめてくださいッ!」
は?
「もう、もういいんです…行きます」
いや、当たり前のことですよね、これ
〜審神者部屋〜
「あの」
『?なんですか?』
「この本丸、私にくださいませんか?」
『は?』
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作者名:おやこどん。 | 作成日時:2019年1月6日 1時