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どうやら目が覚めても昨日の夢は続いてるみたいで、パソコンのキーボードを打つ指も微かに震えてミスタッチばかり。
緊張でちょっと涙目にもなってきて完全に情緒不安定。
そして頭の中にいるのは笑顔の丸ちゃん。
何度も時計を見て時間を確かめる私を見てサヤは笑ってるけど、今日が私の人生最良の日なのは間違いないわけで。
近くでその姿を瞼に焼き付けたいなぁ。
そしたらもう充分だもん。
紹介してくれると言っても、あれだけ面食いな丸ちゃんに気に入られるとは思えないし。
ずっと応援してるって伝えられたらそれだけで幸せだなぁ。
仕事が終わって、メイクも直して。
サヤに連れられていかにも高級そうなお店の個室に案内された。
心臓がバクバクして、もう死にそう…。
「A、章ちゃんたちもうすぐ着くって。」
スマホを見たサヤの言葉に私は泣き出す寸前で。
「大丈夫♪Aはすっごく可愛いから!」
サヤが震える私の手を握ってくれて、ちょっとずつ落ち着きを取り戻す。
「ありがと…。」
緊張しないなんて無理だけど、しっかりしなきゃ。
「あ、お店着いたみたい。」
サヤがそう言ってすぐに個室の襖が開いた。
そこに現れたのは、ライブでは何度も見たことのあるヤスくんと…この世で一番好きな人。
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作者名:葵 | 作成日時:2018年1月21日 17時