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フロアに響き渡る大きな声のした方を振り向くと…社長！？

社長なんて年に数回しか見たことないのに…。

「しゃ…社長！これは…。」
「しっかり聞いたよ、君が部下を恫喝する所を。」

「彼女たちが訴えたら君は裁判でも負けるだろうね。」
「さ…裁判…。」

部長の顔がみるみる青ざめていく。

「君は会議に出なくていいから。」
「解雇通知が届くのを自宅で待つがいいよ。」

へなへなと座り込む部長と何が何だか分からない私とリオちゃん。

「すまないね、彼の管理が行き届いてなかったのは僕の責任だ。」
社長に頭を下げられる。

「いえ！そんな…！ありがとうございます！」
だって偶然社長が通りかかってくれなかったらきっと私もリオちゃんも…。

「安田くんから連絡もらったんだ。」
「社内で大事な彼女がピンチらしいって。」

はっ！？章ちゃん？
知り合いなの？なんで？

「今日帰ってくるらしいから、定時で上がってあげなさい。」

それからは仕事が手につかなくて、何度も時計を見て。

何だか分からないけど、とにかく章ちゃんに会いたくてたまらない。

会って、謝らなきゃいけないし。
ありがとうって言わなきゃいけないし。

大好きって伝えなきゃ。