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なんて悩む間もなくその日はやってきた。
【奥さんから陣痛来たって連絡きた!今日からお店休みます。ゆうちんのこと宜しくお願いします。仕事終わったら店行くように言うといたからね。】
うわー、とうとう赤ちゃん生まれるのかぁ!
っていう興奮と。
横山さんにご飯を作るというとんでもなく高いハードルに対する緊張と。
朝からドキ ドキが止まらない。
…でもいい思い出になるかな。
こんなことでも無ければ横山さんと二人で食事をすることも会話をすることもないもん。
うん。…すき、なんだもん。
一緒に過ごせるなんてこんな幸せなことない。
絶対に失敗しないように丁寧に丁寧に包丁や鍋を使って、横山さんが来店するであろう時間にはなかなかの出来映えの料理達がテーブルに並んだ。
ほっと一息って思ったその時。
「こんばんはー…。」
ってためらいがちに横山さんが裏口から入ってきて、私の心は一気に跳ね上がった。
「あ、いらっしゃいませ!…いえ、それもおかしいですよね。」
「えっと…おかえりなさい。」
「あ、えっと…。」
「…ただいま。」
少しぎこちなく挨拶を交わす横山さんと私。
気まずい雰囲気を払拭するようにテーブルに案内する。
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作者名:葵 | 作成日時:2018年1月21日 17時