【REBORN】静かなる大空は必要とされたい（日常編１）

標的４６…体育祭です（３） ページ48

続き


周囲から聞こえる心配と羨ましがる声を聞き流しながら、歩美は固まってしまってる獄寺と自分の足を布で解けぬように縛る



『隼人…っ……きつく、ない？』

獄「Σっは、はいっ！！」

『ぁ……あの…が、頑張ろうね』

獄「ま、任せてください10代目ーっ！！不肖、10代目の右腕、獄寺隼人！10代目に勝利を捧げます！！」

『は…はい…』



獄寺のあまりの迫力にタジタジになりながら、二人並んでスタート地点までゆっくり歩く


しかし、互いの距離が遠くてフラフラと危なっかしく、転びそうになることも…



『Σわっ！』

獄「10代目！ご無事ですか！？」

『は…はい。』

獄「じ…じゅ、10代目！しっ…しししし、失礼します！！」

『Σは、いっ！？』



歩美の腕(もちろん右)を掴んだ獄寺は、その腕を自分の背中に回して、反対側の腰付近に持っていく…そのせいで、歩美は獄寺にかなり密着してしまっているが…



『は…隼人？』

獄「おっ…ぉオレの服掴んでていいっスよ！10代目が転んだりしたら大変っスから！！」

『…っ……ぁ、ありがとう…///』



トスッ


…どこかからか、獄寺の心臓にハートのついた矢が突き立てられるような…そんな幻覚を見た本人と周囲の生徒達

頭にはてなマークを大量にとばしながら胸をおさえる獄寺に、歩美は何も気づかずに競技準備を整える



『隼人…？……隼人！』

獄「Σハッ！は、はい！どうしたんスか、10代目？」

『っ……っ…が、頑張ろっ…ね？』

獄「っっ〜〜〜〜////……はい！もちろんです、10代目ー！！」



照れすぎて冷静になるという荒業を会得した獄寺は、落ち着いて歩美の腰に手を…添えようとして、そこまでの踏ん切りがきかずに指先がピクピクと震えていた


結果、(ほぼ歩美の速度のおかげで)二人三脚は無事に一位を得ることができた



獄「あとの競技は、あの芝生頭がうるせーくらいに燃えてるボータオシとかいうやつだけっスね！」

『はい…っ……隼人……が、頑張って、ね？』

獄「Σぐっはぁ！！」



身長のせいで上目遣いで、心配から若干にじみでた涙が…今度こそ確実に、獄寺の心臓に鋭利なハートの刃を突きつけた


歩美の応援のおかげでものすごくやる気になった獄寺に引っ張られるように、同じ組の男子達も燃え上がり…

その日の棒倒しは、かなりの大差でA組の勝利に終わった…


リボーンだけは、何もおちょくれずにつまんなかった…と、歩美にグチを言う姿が目撃されたのだった

標的４７…はじめての殺し…です（１）→←標的４５…体育祭です（２）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す