第九十六訓 ページ5
続けてAサイド
Aが泣き止んで落ち着くまで、神楽ちゃんはそばでいろんな話を聞かせてくれた
剣の名門である《柳生家》にお妙ちゃんを助けに行って、次期当主で男装女子の“柳生九兵衛”と友達になった話
定春君が恋をして、お相手とは友達からの関係が始まった話
お妙ちゃんが働いているきゃばくら?っていうところで、銀兄たちとお手伝いをした話
他にもたくさんの話を神楽ちゃんは聞かせてくれて、Aの涙は自然と姿を消していた
神「ようやく泣き止んだアルな
目、ちょっと赤いアル…大丈夫カ?」
『ぅうん…大丈夫
ありがとう…神楽ちゃん』
神「気にするなヨ!私とAは親友だからナ!」
親友…親しい友達…
初めて作れた友達である神楽ちゃんとその関係になれたことは、正直今でもAの中で信じられない程…嬉しい事なのです
神「A…ヅラから昔の事は聞いたネ。詳しくは聞けなかったけどナ
AとAの兄ちゃんが、変なくらいに仲がいい理由も…大体わかったアル」
『…変?』
神「けど…なんで、嫌だってハッキリ言わないアルか!?
そうすれば…私たちは、すぐにでもこうして仲直りできたかもしれなかったのにネ…」
少しうつむきながら寂しそうに言った神楽ちゃんに対して、Aは少し申し訳なく思いながら口を開いた
『…ごめんね……けど…兄様に抗うなんて…したくない』
神「なら、ちょっとの間家出すればいいアル!そうすれば…」
『そんな事…!!
だって……Aが兄様から“また”…離れたりしたら…Aも兄様も…“今度こそ”…独りぼっちになっちゃう』
Aの言葉を聞いた神楽ちゃんは、よくわかってなさそうな顔でポカンと口を開けていた
神「…なっ、何言うアルか!!
Aの兄ちゃんには鬼兵隊とかいう奴らがいるし、Aは万事屋に来ればいいのヨ!?」
『…違う…違うの
たとえどんなに…人がいても…内側は空っぽ…独りぼっちのまま…』
Aが連れ去られたあの日から…兄様に何があったのかはわからない
ただ…おこがましいかもしれないけど、Aだけが兄様の心休まる居場所になりたい
『そして……兄様をそこまで…追い詰めた…
国を…
人々を…
世界を…
Aは決して…許す事なんて…出来ないから』
再び誓いを思い返すように呟いて、そのまま逃げるように船に帰った
また今度…と、去り際に聞こえた声に嬉しくなりながら
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堕天使 - 面白かったです。更新頑張って下さい (2016年9月11日 0時) (レス) id: da9a796715 (このIDを非表示/違反報告)
桜子 - おもしろかったです、更新待ってます (2016年8月31日 15時) (レス) id: 6d3bb9a613 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜☆(プロフ) - gumliaさん» gumliaさん、指摘ありがとうございます!更新の方も頑張ります!! (2016年5月18日 19時) (レス) id: cb146d85e2 (このIDを非表示/違反報告)
gumlia - 指摘ですが「貞春」ではなく「定春」ですよ。これからも更新頑張ってください! (2016年4月23日 1時) (レス) id: 5dbab745da (このIDを非表示/違反報告)
坂田 花恋(プロフ) - キャラと言いお話と言い・・・すごく面白いです!!!高杉様と妹さんの絡みが好きです♪笑更新頑張ってください!!!!!いつまでも応援してます! (2016年4月10日 21時) (レス) id: 74d544e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十六夜☆ | 作者ホームページ:http://maru1215
作成日時:2016年3月9日 23時