紡ぐ音【黒】 (ページ4)

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きっと、

いや、これはもう確信してることだけど。

“ この世界は音で溢れている ″

風や雨によって生まれる自然の音
車や電車、自転車が走る音

人が一歩、歩くのにだってちゃんと音がある

人の声だって元は音の集まりだ

なのに、生憎その音には意味があって、
その音を拾えない俺たちは通じないが故に生きにくい

聞こえていたときには、こんなこと考えたことなかった

考えなくても生きていけたからだ

音で溢れる街を

“ うるさい ″

と遮るようにイヤホンを着ける

そこから流れてくる音楽を聞いてさえいれば心地よくて、なんだか自分の世界に浸れるような気さえした

好きな人と、好きな音楽を共有して
何気ない言葉が耳を掠めるのを愛おしく感じた

なんて、戻らない日々を回想しながら帰路につく

少し古びた扉はキィッと音を立てただろうか

なんて想像しながら暗い部屋の中へ足を進めた

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