紡ぐ音【黒】 (ページ3)

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締切間近になっていた原稿をやっと添削して 、今日のノルマを達成出来たのは午後7時頃

  重い腰を上げて冷蔵庫を覗くと 
いつ買ったかなんて忘れてしまったビールと野菜が少し。

  (これじゃあ、何も作れないな)

  そう思って最小限の荷物を持って家を出た

 いつも行く家から一番近いスーパーは臨時休業らしくて少し離れたスーパーへ向かう

慣れていないところは苦手だ、

早く帰ろう
そう思って最低限のものをカゴに入れた

 「.......879円です」 

『.............』  

生憎、小銭を持ち合わせてなかったから1000円札を取り出してトレーの上に置くと、何やら店員さんが俺の顔を見て口を動かしている  

、、、、分からない  

優しそうだったはずの表情が徐々に険しくなって 
少しだけ乱暴に、俺が置いた1000円札を手に取った

  無造作にトレーに返されたおつりとレシート  

俺にできる最大限の謝罪の意味を込めた『ごめんなさい』を伝えるとその人は目を見開いてすぐにレジに目を移した  

そうだよな。 

だけどこんなこともう慣れてしまった 

買い物袋を手に、ついさっき歩いた道をまた歩く 

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