特級教師、最強泣かせたってよ。【呪術廻戦】

《8》姐さんと坊 ページ8

『こんばんは』




そう言って、いつも通り監督さんのいる車に乗り込む。



ちわーっす、という監督さん、…森本の返事が聞こえた。




『いつも夜遅くまでごめんね』



「大丈夫っす、姐(あね)さんのお望みとあらばっすよ」





チャラい。



チャラいのだが、めちゃくちゃいい人である。



森本は私がハタチの頃から、付いてくれている監督さんだ。



私の2歳下で、仲良くさせてもらっている。



…さて、今日は寄らないと行けない場所がある。



車に座るなり早々に、森本、と名前を呼んだ。






「はいっす、どうされました？」



『今日任務前に寄り道して行きたいんだけどいい？』





一瞬怪訝そうな顔をした森本は、閃いたとばかりに顔を明るくした。





「坊のところっすか！」



『まだ坊って呼んでるの、森本』



「坊は何歳になっても坊っすからねぇ」



『私からしたら森本はいつまで経っても厨二病よ』



「自覚はあるっす」







あるんだ。



私は、坊、…某青年の家に着くのを寝て過ごした。



森本に肩を揺すられ、姐さん、と呼ばれる。



目を擦って起きれば、最初の頃は悟と通った、



見慣れたお家についていた。





『もう着いたの…、ありがと森本』



「いえ。



…それにしても姐さんお疲れですねぇ…、



旦那さん泣かせたんですっけ」



『なんで知ってるのよ、森本。



…っていうか、毎度言ってるけど、旦那じゃない』



「姐さんと五条術師は夫婦みたいなもんじゃないっすか」



『夫婦ねぇ…、



それで行くなら確かに絶賛夫婦喧嘩中だけど』



「…姐さん、まさか本当に旦那さん泣かせたんすか」



『まぁ事実ではある。



…それよりそろそろ降りて良い？』



「あ、すんません」






いい人なのは事実なのだが、一癖強い。



今どき姐さんて呼んでるのなんて、極道か森本の二択だろう。



ありがと、と森本にいって、私は伏黒の表札を横目に家に入った。

《9》姐さんと坊→←《7》ツッコミどころ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す