特級教師、最強泣かせたってよ。【呪術廻戦】

《42》保護されてください ページ45

「…助けなんかいらねぇよ、俺の好き勝手でやってんだ」



『…あらそう。じゃあ私は助けなくていいのね。



皆の手前、下手に出られないから抵抗してるのかと思ったわ。



余計なことしてごめんなさいね』






そう言って、コンビニに戻ろうとすれば、ズボンの裾を掴まれた。



…やっぱり、悪ぶってる子ほど純粋で引っ掛かってくれるんだよなぁ。



私はわざと顔をしかめて振り返った。







『…なぁに？中坊が高校生のガキになんか用？』



「……った、」






少年、…基、後の森本は涙を流し、



私の足にすがり必死に言葉を絞り出した。






「…助けてください…！！」






私は怖い顔を崩して、縋り付く森本くんの前にしゃがみ込んだ。



頭を撫でて、中に巣食う呪霊の程を見る。



…今日で良かった、明日じゃ恐らく遅かった。



これは、相当しんどかったはずだ。



彼の強靭な精神力がなければ、耐えれなかっただろう。



頭をクシャクシャに撫でた私は、森本くんに笑い掛けた。







『よく頑張った、もう大丈夫だよ』






子どものように泣き声を上げた森本くんを抱き寄せた。



背中を擦るが、一向にしゃくりあげるのが止まる気配はない。



より強く、と抱き締めた。



抱き締めて、中にいる呪霊を慎重に、削っていく。



森本くんの方も、私の背中に手を回して、私を離そうとしなかった。



抱き締めること3分ほど。



彼の中の呪霊を取り除き、



涙と鼻水でグシャグシャになった森本くんが、



私の中でフッと意識を失って、すぅすぅと寝息を立て始めた。



明日、森本くんをこうした元凶を祓いに行かなければ。



私はすっかり寝付いてしまった森本くんを抱き上げて、



コンビニ前で待っててくれる現場監督の元に戻った。



この後、あの人(私)と一緒にいるにはどうすればいいですか！！



と傑に聞き、現場監督となった森本。



俺を側においてください！！姐さんって呼ばしてください！！



と森本に追い掛け回されるのは、



森本くんが保護されてから3週間後である。

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