特級教師、最強泣かせたってよ。【呪術廻戦】

《18》昔の仲直り ページ20

悟は見上げた私を見ると、顔を歪めた。





「…ごめん」





小さくそう声にした悟に、少し落ち着いていた涙が再び溢れ出した。



うぇぇぇぇん、と子どものように悟に泣き付いた私は､



気付けば悟に抱き締められていた。



悟の手が少し震えてるのに気付く。



悟は私の頭から髪の毛を撫でながら、反対の手で私の背中を覆っていた。






「ごめんA」



『…悟は悪くない、勝手に勘違いした私が悪いの。



ごめんなさい』



「……不安にさせた俺が悪い。



好きなのとか、もっとちゃんと日頃から伝えておけば良かった」





そういった悟が、ふと身体を離した。



悟がそのまま、ひょいと私を持ち上げて、



伸ばした自分の太ももの上に私を乗せた。



細いのに、筋肉質で、あぁ男子だな、と思う。



…傑は、もういなくなっていた。



お互い、超至近距離で見つめ合う形になる。



涙を服の袖で拭いつつ、悟に謝った。






『…悟ごめんね、悟泣かせちゃった』



「…俺は良いの。



A泣かせたほうが問題だろ」



『私は勝手に泣いてるだけだもん、悟も傑も悪くない』






私は涙ながらに訴えると、悟が突然ガバっと抱き締めてきた。



えっ、と若干びっくりして固まれば、悟が小さく呟いた。






「…やだ」



『…え？』



「ここで傑の名前出てくるのやだ」





ギュっと抱き締められたまま、悟が喋り続ける。






「…俺のAだから。



傑のことなんか考えないで、俺を見て。



…俺のことだけ見て。



Aが好きなのに、全然伝わってない。



もっと俺のことを知って、話して、出掛けて、抱き締めて、



……もっと一緒にいて。



傑とか、眼中に無くなるくらい。



…もっと、俺を見て、俺を好きになって、A



…気付いて、こんなに好きなのに」






徐々に声が小さくなっていく悟。



視界の端に映る悟の耳が真っ赤になっていた。



消え入りそうになりながら、好きなのに、と呟いた悟は、私を抱き締める力を少しだけ強くした。

《19》好きは照れ臭い→←一応アテンション

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