渋谷さんの添い寝担当？ (ページ8)

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「そっ…添い寝だったら彼女さんとかにお願いしたらいかがですか？」
「料理や掃除は頑張りますから！」

ダメ元でお伺いを立ててみる。

「料理とかついでやで？」
「添い寝が1番の条件なんやから。」

「それに…自分、アホなん？」
「彼女なんかと寝たらむしろ睡眠時間減るやろ」

睡眠時間…減る…？
あ！あぁ！そーゆー事か！
恥ずかしい…。
えー？どうしよう…。

「無理なら契約解除するだけやけど？」

待って！待って！
契約解除は困る！
もうお金無いんだもん！

「む…りじゃないです…。」
「よろしくお願い致します。」

「ん。」
「変な気起こすなよ？」

は？
変な気…？

「ぜっったい何もしません！」
「絶対ですからね！」

「はいはい。」

もうっ！完全にからかわれてる。
社会人からしたら大学生なんてお子様だもんね。

ふぅ…と息を吐いて平静を保つ。

布団をめくり、さっさとベッドに入って横たわる渋谷さんに近づく。

「失礼します。」

「はい。どーぞー。」
興味なさそうにこたえる渋谷さん。

ベッドは広いから二人でも充分広い。

「大きいベッドですねー。」
気を紛らわせるために声に出す。

「そりゃあ…」
「大きい方が色々便利やろ。」
「なぁ？」

ってイタズラな顔をした渋谷さんが言う。

…気を紛らわせる作戦、失敗。
やっぱりこの人は大人すぎる。

「おやすみ。」
鼻で笑いながら挨拶をする渋谷さん。

「おやすみなさい。」
緊張で棒読みな私。

渋谷さんは天井を向いて、私は少しだけ渋谷さんと逆方向を向いて、添い寝生活はスタートした。