エイト×キャンジャニ (ページ9)

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ミスコンで投票されるのは恥ずかしいし嫌だけど、衣装でウエディングドレスを着るらしくてそれはちょっと楽しみだったり…。

マルに。
見て欲しいなぁ…。

似合う、とか可愛い、とか言ってくれないかなぁ…？

なんてマルの事を考えてたら、下駄箱の男子の集団にマルを見つけた。
向こうからは私は見えてないみたいだけど。

「ミスコン誰が優勝すると思う？？」
「やっぱ倉子ちゃんじゃね？」

ちょっ…！
…何、その話題！！
マルは…何て言うんだろう？

深呼吸しながら、そっと耳を澄ます。
心臓がうるさくて少し泣きそう…。

一呼吸おいて。

「それは無いやろ。」
って冷たいマルの声が空気を切り裂いた。

「えー？そうかぁ？有力だと思うけどなぁ。」
「倉子ちゃんは絶対無い。俺は安子ちゃんやと思うわ。」

安子…か。

そうよね、何で今まで気付かなかったの？
二人はいつも隣で。
優しくてほんわかした雰囲気も良く似てて。

安子は他に好きな人がいるけど、マルが安子を好きでも全然おかしくないもの…。

失恋…よね。

こんなに辛いものだなんて知らなかった。

好きで好きで好きで。
胸が締め付けられる。

こんな時でも頭に浮かぶのはマルの笑顔。

ただ、何とも思われてなかったんだって事実がこんなに苦しいなんて。

恋がこんなに苦しいなんて…。

それから、二人の姿を見るのが辛くてお昼休みは自分の教室で食べる事にした。

安子には、今はちょっとマルと顔を合わせにくいとだけ伝えて。
すごく心配されたけど、本当のことは言えないし…。
ごめんね、安子。

マルの事は諦められないけど、何とか頑張ってフツーに振る舞えるようにするから、少し時間をちょうだい。

結局、マルに貰ったリボンを頭に着けることもなく。
顔を合わせない日が続いた。