4月15日のエイト (ページ9)

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「美味そうやなー♪」
テーブルに広げたピザと冷え冷えのビール。

「ほんまならシラフで話した方がええんやろうけどな…呑みたい気分やねん。」
「…乾杯！」
そう言って隆くんは会見の時と同じような笑顔を見せた。

お酒が進むにつれ、饒舌になる隆くん。

「今日の舞台なぁ、めっちゃ温かい拍手もらえてな？俺って幸せもんやなぁ。」

「そっか…嬉しいよね。」
「ん。ほんまに。…俺、幸せ。」

「なぁ、A？」
「ん？」

「すばるの歌ってほんまに凄いねん！」
「せやから、音楽をもっともっと極めていくなんて楽しみでしゃーないわ。」
「かっこいいよな？イチ男としてさぁ！」

妙にハイテンションだけど、目尻にうっすら涙が浮かんでるよ？

私には…無理に笑顔作らなくていいのにな。
私じゃ、まだまだ頼りないのかな？

ちょっとだけ寂しい気持ちを抱えたまま、食事を終えてソファーに移動すると。

「A～♥」
と大げさに私に覆い被さってくる隆くんから感じる、ほろ酔いの熱い体温。

「重いよー！隆くん！」
ってちょっと胸を押す真似をしてみるけど、ますます私にしがみついてくる。

それと同時に隆くんの体が少し震えてることに気付く。

泣いて…る？

滅多に泣かない彼の突然の姿に動揺してしまう。

どうしてあげたらいいのか分からないけど、とにかく胸に置いていた腕を彼の背中に回して、上下に撫でてみる。

隆くん、この背中にどれだけのものを背負ってるの…？