4月15日のエイト (ページ5)

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食卓を囲みながら、信ちゃんはテンション高くずーっと話してる。

Jr.時代からデビュー後の苦しかった時期の話。
渋谷さんとのエピソードをサービス精神旺盛に笑いも交えながら。

「すばるは本当にストイックな奴やから。」
「アイツらしいっちゃあアイツらしいのは分かんねん。」

「例えグループから離れても一生付き合っていくし、これが今生の別れちゃうしな。」

「けどなぁ…。」
それまで明るく話していた信ちゃんの表情が固くなって、言葉に詰まった。

視線をテーブルに落としたかと思うと真っ直ぐに私を射抜いた。

「すばるの新しい夢に負けへんくらいの夢を関ジャニ∞として持たせられへんかったんは…正直こたえたわ。」

「アイツの音楽への情熱は痛いほど知っとったのにな。」

「やっぱり…ずっと一緒にやっていきたかったなぁ。」

そう言って、一筋の涙が零れ落ちた。
付き合って何年も経つけど、今まで見たことのない信ちゃんの泣き顔。

「うん…そうだよね。」
きっと渋谷さんだって出来ることならみんなと離れたくなかったはずだよ、とか。

信ちゃんたちが居たから新しい一歩をひとりで踏み出す決断が出来たんだよ、とか。

そんな事は信ちゃんは分かり切っているだろうから口には出せなくて、信ちゃんの左手を握って顔を見つめる事しか出来なかった。